INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.101
HexCommandarで完全に手詰まりました(兵士解雇したい)by天然無能@貧乏領主
「次の戦力は最初のより弱いのが割り当てられる。ここで我々『防弾少年軍』の実力を更に見せつけてやろう」チーム1隊長を託されたフン・ミが気合を入れる。
「それより依頼主が本部に呼び出されたそうだが?処刑はいつだ?」メンバーの1人が邪悪な笑みを浮かべている。
彼らは問題児だったかも知れない。だがGRMに少年時代を奪われた恨みは忘れない。幹部の失態による処刑は残酷だ。それを見てスポンサーは恐怖から組織に更に「寄付」をする。
それが「モンスターへの餌付け」だと気づかぬままに……
その頃マッデスはアフリカ中部の本部で処刑を言い渡された。
「今年に入って2人目の組織幹部の死となる。最も貴様の失態で余計な1人が落命したのだが?」黒いローブの内側から赤い瞳が光る。「長老」と呼ばれるGRMの頭目は遺伝子変異ウイルスの追加投与の連続で冷戦初期から生きながらえていて健全だ。
ただその姿は再三の変異の繰り返しでおぞましい姿になっている。
「この男を高く掲げよ!死体は野獣に食い尽くされるまで放置しろ」長老が手下の兵隊に命じる。マッデスは地面に組み伏せられて金属の旗竿を身体にねじ込まれ、そのままフラッグポールに掲げられた。
絶命までその身体は苦痛に悶えていた。喉からポールの先端が血染めになってもまだその肉体は苦痛でもがき苦しんでいた。
再三の遺伝子操作が彼の死までの苦痛を長引かせる。身体の崩壊と再生のチキンレースに決着が着くまで1日が経過した。
ポールの地上まで滑り落ちた遺体はコヨーテの餌食となっている。
この処刑を見させられたスポンサーは皆、多大な「寄付」を行った。
その頃「ハイト」ではフン・ミ率いる防弾少年軍と寄せ集め軍での戦闘が意外な展開を迎えていた。
ワイズの作戦が的を得た。フン・ミも含め自陣の奥深くまで追い込まれている。その自陣に時どきグレネード・ランチャーから40mm榴弾が撃ち込まれ、ロケット弾攻撃が失敗する。
「全滅覺悟の突撃を行え。手榴弾を抱いて敵陣を突破せよ!」フン・ミはそんなに軽率な指揮官ではない。しかし相手の作戦が崩せない。
屋内から狙撃しているスナイパーのみが健在だが外に出れば弾丸の嵐と40mm榴弾の洗礼が待っている。
「敵の指揮を取っているのは誰だ?姿が見えないだけに嫌なやつだ……」フン・ミは苛立っている。
敵は援護物を確保したら最後、弾丸は乱射するも自分からは出てこない。どこからか飛来するグレネードにロケット弾やグレネードランチャーの狙いすら定められない。
「これ以上の増援は無駄だ。戦場の全員の自滅攻撃を命じる」それがフン・ミの最後の司令だった。しかし、当のフン・ミがグレネードの破片を受けて自滅攻撃に失敗し、気がついたら敵軍の病院に収容されていた。
「最後の自滅攻撃について説明してもらおうか?」病室でサングラスに髭面の男が自分を見据えている。かなり流暢な英語を話す。相当な知恵者だと覚悟した。
「戦果は当方戦死・行方不明合計26に対しそちらは43だ。最後の双方の10人の犠牲は余計だ。潔く負けを認めれば防げた犠牲だった……」男は英語でそう告げると病室から去っていった。
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