INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.102
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その頃、マッデスが作った組織はアフリカで活動している若手の爆破テロリスト、エムボムの指揮下に置かれている。エムボムは日系のアフリカ人で英仏日を流暢に話し、言葉遣いからも知性的だ。日本の大学で化学を専攻したあとはフランスの大学院に進学した。
この時点のエムボムは至って真面目で知的な人物だ。犯罪に走る理由は何一つなかった。
しかし、運命はエムボムに極めて残酷だった。欧州一周のバイク旅に出ていたエムボムが民族至上主義者を自称するギャングの襲撃を受け、金品とバイクを奪われ、意識不明に陥ったところを保護される。
このヘイトクライムでエムボムは意識が回復してからも襲撃の心的外傷に苦しんだ末、自らの頭脳を旧帝国主義国全ての都市を破壊する事に使い始める。
大学院を中退し、独学で爆発物をすべて知り尽くし、起爆装置も巧みに作り上げる技術を身につけた彼はアフリカに渡り、先進国の大使館が集中する地区での情け容赦ない連続爆弾テロを実行に移す。
彼は爆破の作戦を立てるのも狡猾だ。エムボムはたちまち「爆破の呪術師」と呼ばれ、世界中を敵に回す。
だがその破壊から組織犯だと思われていた「爆破の呪術師」は単独であることがGRMに知れる。
「わが組織で働いてみないか?目的は一つ。全てを灰にする。何一つ再燃しないほどに……」組織のリーダー「長老」が彼を巧みに引き入れる。
「悪い話ではない。自分の理想とも一致する。全てを無に還す……」エムボムは長老の意見に合意し、GRM傘下組織の爆破チームの指導を担当することになった。
そして、「爆破の呪術師」の弟子たちによる世界中での連続爆破テロが続く。軍事基地、大使館、政府機関、望まない人物の居住地、様々な対象が爆破された。
世界中の民間軍事会社の拠点が爆破され、連日謎の爆発ニュースが世界を駆け巡る。これで「爆破の呪術師」は組織だと断定された。
彼はついに日本の組織の爆破チームの指導に当たることになった。容赦なくカンパニーの拠点を破壊する方針を本部が取ったのだ。
無論、担当者マッデスの相続く失態が組織を本気にさせた。
そのころGRM自体も組織の危機に陥っている。企業のマネーロンダリングを追跡していた各国の金融機関が雇ったホワイトハッカー・チームによって裏金が複数のNPOに集められ、その先の送金先が資本金の小さい警備会社になっている。
表向きはNPOの活動の警護費用として送金されているが、そのNPOに活動実績がない。つまり振込先がペーパーなのでなく、手前がペーパー組織だったのだ。
無論、マッデス亡き後、政府機能が諸カンパニーによって回復しつつあった日本でも多くの民間企業や個人がこれらのペーパー組織に寄付を行っていた事が発覚し、騒然としている。
世界はもっと恐慌状態に陥っている。多数の著名な富豪や巨大企業がこれらのペーパー組織に寄付を行っていたのだ。
ホワイトハッカー・チームのレポートは寄付を行った者たちの逃げ道を奪った。
「不正送金」「巨額脱税」「巨額使途不明金」といった見出しが世界のニュースのヘッダーを覆い尽くしている。
「まあ、予想通りの結果だ」スマートフォンのニュースアプリに目を通したモーゼルが呆れている。
実はこの小さい警備会社の巨額収益にマッデスは目をつけていた。もっと信頼に足る民間軍事会社は多数ある。にもかかわらずこの警備会社の収益はそれら大手民間軍事会社のレベルを遥かに超えている。
この小さな警備会社の本社も無政府状態の国の郡部に置かれている。
「これほど手広くビジネスを行っていれば一度は俺を雇うはずだが?」モーゼルが苦笑した。
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