子供に見せてはいけない有害なダークファンタジー

プラッツさんとセルヒオ・ラモスさん、「ぎゃふん」さんご迷惑おかけしておりますby天然無能@ダメッタラー

第20話 魔王の悠々自適な生活が変な話

この懲罰棟の一室を使い始めてから疲労回復が異常に速い。朝の目覚めもさっぱりしている。よほど前の部屋では苛ついてたのだろう。

肌のつやや髪の調子も好調だ。風呂が近い教官棟に移ったのがいいのだろうか?

訓練にも身が入る。ここのところは黒円を確実にヒットさせ、時々黄色も射抜いている。

相当足を引っ張られていたのだろう。何事にも集中できる。

食事も教官としている方が楽しい上に落ち着ける。なにせ肉を台無しにする愚か者が居ないだけで余計な心配をせずにすむ。

教官との食事中の痴話にも意外と参加している。俺も相当な好きものだ。調教期間の話は生まれつきの魔族出身の教官を大いに喜ばせる。

意外にも生まれつき魔族の者はこの事実を知らない。誰もあの話を告白する者がいなかったというのだ。

「最初の時に羞恥心はなかったのか?」時々尋ねられることだ。

「新しい世界に来ればその世界に早く対応したい。そう考えるのが普通では?」俺はそう答えた。

「確かに理に叶っているが……過去に未練はないのか?」人間出身の魔族が尋ねる。

「過去には戻れませんからひたすら前に突き進む。ただ忘れることはないですが……」それが俺の生き方だ。

人間の時に得たものなど恐怖心の他なにもない。その他に得た物などない。そんな過去に未練など……

「『影喰い』という言葉を忘れるな。いつかその意味を知る時が来る。その時に前に突き進めるかはその時の自分次第だ……」統括が一言告げた。

その意味を知るのが自分の初陣になるとはその時思いもしなかった。

その後いろいろな教官に外出禁止の休日前に夜這いされた。一応自分の了承を取らせてからお楽しみの始まりだ。

その時も相手の身体以外に俺を抱いているなにかがある。まるで調教初期の自分を覆う心地よさと同様の感覚を覚える。そこにさらに相手の上気した熱が加わる。俺もかなり高揚して悶え、肩で息をしながら、時々鳥肌まで立てている。ここで身を捩らせて髪を振り乱しているときの俺はかなり妖しい美しさがあると聞いている。

この異常に高まる快感はここを出るまで大いに楽しませていただいた。

だがそれ以上の興奮と陶酔感をさらに俺は知ってしまう。

闘技場で格上を倒した時の場の雰囲気に飲まれた時の達成感というものだ。

これに深入りればこっちが本職になりそうで怖い。

その恐ろしさを知らぬまま、俺は訓練を次々とこなし、今では歩兵が使うロングソードの練習過程に進んでいる。歩兵が落とした剣で戦わざるを得ない事態に備えてのことだ。

重量的にはブロードソードと差がないが全体に刀身が長く、重量調整目的で刀身の中央に溝が切られているのが特徴だ。ダメージが不安定なのが欠点だが、大型魔獣相手に使うとこちらのほうが断然有効との話だ。

特殊弓兵の訓練はある理由で中断された。黄色円を射抜く者を「魔弾の射手」と呼ぶらしい。魔弾の射手がいる部隊は真っ先に潰される。故に黄色円を一度でも射抜いたらその時点で訓練も終了となる。

この時点で俺は特殊弓兵の予備兵として上等兵待遇になり、いくらか給与が上がった。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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