子供に見せてはいけない有害なダークファンタジー

電池の無駄使いはやめましょうby天然無能@Android端末の歯車をクリックすると省エネモードが出るぞ

第21話 ブーツを賭けた仁義なき戦い

ついに俺のブーツが限界だ。しかも第1回戦は明日にもう迫っている。格闘戦の最中に底が壊れるかも知れない。

明日は絶対に負けられない。とにかく靴を手に入れるのだ。

まさか初戦から崖を背にした戦いを強いられるとは予想外のことだった。

訓練があまりに順調に進んだために靴の消耗具合に気づかなかった俺のバカさに腹が立つ。

なんとか闘技場までは靴底が耐えた。ただ最初に一撃を繰り出す瞬間に靴が分解しそうだ。

靴屋で新品の値段を見る。自分の所持金だと戦闘用はおろか肉体労働用さえも手に届かない。

唯一手に入るのは布製の運動靴だけだ。流石にこれで戦うのは恥ずかしい。

だが靴屋に立ち寄ったことで覺悟が出来た。この戦いは負けられない戦いだという覺悟だ。

靴が壊れようがどうでもいい。とにかく勝って新品の戦闘用ブーツを手に入れるのだ。

初戦の相手は借金を抱えたチンピラだと聞かされた。向こうは負けるとボスに娼館に売られるそうだ。どういう理由でそんな借金をこさえたのかは知らないが、こちらも裸足で帰るわけにはいかない。

こちらの先週の夜の相手は……武器なし戦闘の教官だ。わざといろいろ技を掛けてもらいながら幾度となく追突していただいた。おかげて変なプレイに目覚めたがどこを捉えられたら逃げられなくなるかは実戦でしか身につかない。逆にどこを取らせれば相手に身体を支配させるかも覚えたのだが……

技で行動を奪われて一方的に激しく追突されて情けない声を上げるしかないという状況は夜のお遊びなら最高だ。

技を掛けている方も俺の悶えて幾度となく達する姿を見て変に扇情されている。逃げられないようにあの部屋の鍵は自分ですでに施錠済み。行為が終わるまでどちらも鉄格子の囚人だ。状況で双方萌えさかって行為に耽る。

お互いに何度も達して満足しきったあとの余韻を楽しみながら「悶えている時の首筋がエロい」とか「脚と腕が細い割にはロックに耐えた」やら「敗北の美味を覚えた魔性」など感想を述べられたときには流石に相手の腕の中で赤面した。

まあ、夜のお遊びでの敗北は確かに美味である。もともと堕ちるとこまで堕ちるのが俺の夜の性格だ。これは昼間の向上心の反動か?

今の俺は昼間モードだ。取られてはいけないところは取らせない。エロい仕草など見せるものか……

相手が先に手を出した。避けきれず相手のパンチを受ける。痛打だが絞め技の継続ではない。一発ノックダウンも回避した。

俺に次の打撃を与えようとした愚かな相手の頭を腕で締め上げる。ヘッドロックの完成だ。ここからは俺を投げ飛ばすかひっくり返すしか逃れられない。

手番は相変わらず相手のほうが速い。相手は返し技を出せずもがいている。俺はひたすら締め続ける。相手は20秒で気絶した。

そして俺のリングネームが決まった「サディステック王子」……相手を締めている時の顔がサディステックな王子様そのものだったらしい……これで俺は呼ばれるのか?勝ったがその後が酷すぎる。

おかげで黒の7つ穴のコンバットブーツを現物支給されたが、装束も黒と決まってしまう。「サディスティック王子」ではやむを得まい。

赤面しながら営内に逃げ込むとすでに呼び名が「サディスティック王子」に変わっていた。赤面を通り越して泣きたくなる。

勝利の代償を思い知ることになった。でも観衆の前で相手を締めて気絶させた時の爽快感は癖になりそうだ。やっぱり俺は出自に反して「サディスティック王子」らしい……

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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