Downfall The Empire of Tahjimar
デスゴールのとばっちりを誰が食らうのか……(怖)
第4話 悩める悪魔が司祭の手ほどきを受ける話
アノマツは神から命じられた難題に困り果てている。そもそも女に興味がない、最初に覚えた交わりの悦びが男相手では仕方がない。
しかも攻勢に転じることは夜伽に関しては永遠の0カウント。つまり、受け入れる側の経験しか積んでいない。
これを告れる相手が1人いる。暗黒の都の酒場にいる自分の主にに仕える司祭だ。
この異国の出身である司祭は人間時代、凄腕の決闘屋として名を馳せた。決闘屋は戦って勝てば街の人気者になる。その後は街でやりたい放題が許される。
無論この司祭、カヘナシ・サメホセもやりたい放題を繰り返してきた遊び人だった。
だがやりたい放題の日々は黒い嵐で終わりを告げた。彼の身体に変異が始まった時、彼は地元の暗黒の主神の教団に加わった。
その後司祭になるために、暗黒の神殿で修行を積み、司祭に任じられた後は暗黒の都の神殿にいたが馴染めずに数日後からは酒場の片隅に居座っている。
酒場で兵士や旅人、悪人たちの「神殿では告れない類の悩み」を聞くのが彼の役目だ。酒場の主人、ジェムスもこの司祭からは代金を取れないどころか店の売上の1割を逆に神殿に寄進している状態だ。
今回は客が自分の信仰する神の使徒である。司祭の元に使徒が来て悩み事を告り始めた時点でジェムスは店を閉めた。
「本当か?」カヘナシが笑っている。
「本当だ。一度も突っ込んでない……」アノマツが相当にヘコんでいる。
「つまり突っ込まれる側の初体験は早かったし数も相当こなしてきたが、逆は無し?!」カヘナシが更に笑っているがアノマツのハートはギザギザに裁断された上でフルボッコにされた。
「司祭様はさぞかし女性に突撃したのでは?手ほどき頂きたいものだ……」アノマツが精一杯の皮肉をこめて言い返す。
「まあ、攻略回数は数えるのを途中でやめた。女を攻め落とす術ならその身体で覚えてもらおうか?ジェムスも店を閉めてくれたことだし……」カヘナシが不気味な笑みを浮かべている。
カヘナシが何をしようとしているのかは嫌でもアノマツの頭の中に入ってくる。
つまり受け入れる側の経験豊富な自分を悦ばせることで女の悦ばせ方を実体験させようというのだ。
変に自分の身体が求め始めている。アノマツは困惑する。欲情し始めたら拒めないのは嫌というほど理解している。
「……遊びではないぞ」ついに肉欲に屈したアノマツは誠に遺憾にして不本意ながらカヘナシに指導を仰いだ。
「ではそこの長椅子に横たわってもらおうか?」カヘナシが手を洗ってくるとゆっくりとアノマツを長椅子に押し倒した。
アノマツは黙って脚を開いた。
「その必要は無い。俺の手と指先が開かせる……」カヘナシがアノマツを見つめながら長衣の裾から手を差し入れ、太ももの上に指先を這わせている。
「顔に出ているぞ……感じているって……」カヘナシがアノマツに告げた。内腿を心地よく刺激する指の動きを追っていたことを見抜かれた。
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