Downfall The Empire of Tahjimar
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第30話 狂人三十六房 (36 Chambers of Insanity pt.2)
「まだ……不十分ですか?」快楽に顔を緩ませたキネオムが司祭に尋ねる。
「欲しいのか?」司祭が指を動かしながら問いかける。広げるように指を動かすとキネオムが笑みを浮かべて悦んでいる。
「もっと慣らして下さい……いい感じです……」キネオムが自分を高めていく。司祭の指を楽しむ顔を見ていると、その指を奥まで這わせてみたい衝動に駆られる。
「奥はもっと気持ちいい……そのまま……広げて欲しい……」キネオムの身体はすっかり受け入れようと力を緩め指の動き堪能している様子だ。
司祭は交わりの欲望に屈した。
「入れていいか?」司祭がキネオムを見つめている。キネオムは無言で頷いた。
女性のようにしなやかなキネオムの入り口が司祭を包み込み奥へと誘っていく。すべて収めるとキネオムの顔が笑みを浮かべている。
「身体の相性は良さそうです。内側から熱くなってきて、めまいがしてきた……」キネオムが甘い声で誘惑する。
「動かしていいか?」キネオムの熱した肉が自分を覆い包んでいる。時々ビクリと蠢動する心地よさが自分の腰を動かしてキネオムの中を抉り掻き回したい欲望を限界まで掻き立てる。
「喜んで……そのまま絶頂までお願いします……」キネオムがさらなる責めを求めている。司祭は徐々に腰を動かし、最後は自分を絶頂まで高めるまで激しさを増していく。
「初めての時より楽しくて……気持ちいい……」キネオムが激しく喘ぎながら嬉しさを口にする。
「煩悩を全て捧げよう……耐えられるか?」キネオムの快感を長引かせ、司祭が煩悩を注ぎ込む。絶頂の手前で緩められては責められる。その繰り返しがキネオムの絶頂を遠ざける。
兵士に犯された時に快感を知ったあのときよりも遥かに絶頂までが遠くて長い。その間の心地よさも激しく強烈だ。恥ずかしい喘ぎ声を上げて身体も心も快感を楽しみ悦んでいる。
司祭の煩悩をすべて吸い尽くした時2人は長き道を楽しみ喘ぎながら楽しみ尽くして絶頂へと達して身体を震わせ崩れ落ちた。
冷たい石の床が加熱した身体を冷やす。床の冷たさが心地よい余韻を楽しむ時間を造り出す。
「落ち着いたところですると楽しいってわかりました……」キケオムが恍惚とした顔で司祭に囁く。
「俺も煩悩を吐き出せた。しかも最高の快感を楽しみ尽くした。悪魔名を覚えたら呼び出してしまいそうだ。それほど気に入ってしまった……」キネオムの黒髪をいじりながら司祭が満足そうな顔をしている。その瞳からは一筋の涙が滴っている。
後日、キネオムはその涙の意味をアノマツから知らされる。
司祭の妻は彼に飽きた後、別の男のところに子供とともに消え、それ以降司祭は闇の力を受け入れると苦しみもがいていた。それは一時的な幸せを味わっているアノマツにとって苦痛だった。
「心に突き刺さってくるんだ……俺には今はできない……」アノマツが司祭の闇を嫌い始めた理由を語り始めた。
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