Downfall The Empire of Tahjimar
J禁、JFA禁クソコンテンツ
第32話 淫魔少年、悪魔名を授かる
司祭カヘナシは情事の後、高司祭に悪魔名を持たぬ者への名前を神から授かりたいと要求した。
キネオムをつれて帰ってきたのが神の使徒であるアノマツであり、キケオム自身も帝国の破滅を欲している。
高司祭も名無しの悪魔がレネゲードとして敵の手に堕ちることは避けたいとその提案を受諾した。
その夜、司祭とキケオムが神殿に集められ、悪魔名授与の儀式が行われた。神の意思と通じ合うことは司祭の名を授かる者双方にとって危険な行為だ。
神の意志と通じ合うことは巨大な闇の力と接触することを意味する。
だが、この儀式はあっけなく終了した。巨大な闇の力はキケオム自身が飢えて欲していたものだった。儀式で生じた闇の力はキケオムが全て取り込んで自分のものにしてしまった。
「名前を頂いた上に最上級の闇の力を授かり感謝しています」キケオムが笑みを浮かべて司祭たちに礼を告げた。
「この名前を参加した司祭が知っている。そしてお前は我らが主にも束縛される。そのことを決して忘れるでない……」高司祭が名前を授かることの意味を伝える。
「十分承知しております。偉大なる主人に奉仕させていただきます」育ちの良いキケオムが高司祭に誓いを立てた。
「これで敵に渡ることは無くなった……」高司祭が本音を告げる。
「自分も下賤な魔術師に束縛される危険を取り除いていただいて安堵しています」キケオムも本音を口にした。
「レネゲードたちは好んで魔術師の道具に使われていないということをお伝えします。むしろ絶望しながら使役されている……」キケオムがレネゲードたちの真実を語る。
「なるほど名前を知られたレネゲードに後ろ盾はない。だからあのような者に『使役』されているのか……」高司祭が変に納得する。人間の知りうる悪魔学の限界も感じている。
「しかし、なぜ淫魔になることを欲した?まだ少年だと言うのに……」本来暗黒の主神の属性を持つ悪魔は淫魔になることはない。
例外は「強大な力を統べることを欲する」ためにその道を選んだ場合のみだ。
「快楽という絶望を帝国の聖職者に味わわせたい……究極の恥で身を滅ぼしていく様をじっくりと楽しむためにこの力をあえて選んだ……それだけです」キケオムが初めて悪魔らしい表情を浮かべている。
「……何がそうさせる?復讐か?」高司祭が緊張した目で見つめている。
「衆目の前で快楽に支配され、痴態を晒した後で皆から軽蔑され嫌悪され、絶望する。最後は自らの手でこの世界から消え去ることを選ばせる。そうしなければ自分の欲望を満たせない……同じことをされた以上その屈辱でこの世界から去ってもらいたい……」キケオムの顔は笑っているが目を怒りに満ちている。
高司祭もカヘナシも、そしてその場に居合わせた司祭が少年の姿をした残酷な悪魔を恐れている。
「わが主に恥をかかせぬよう、用意周到かつ計画的に実行に移せ……それが束縛と庇護の条件だ」高司祭はキケオムの自制を求めた。
0コメント