Downfall The Empire of Tahjimar
スズメバチが刺された……
第35話 変態ゲス野郎の隠された黒歴史
キネオムは司祭カヘナシの人外の域を遥かに超える変態ぶりにそれを誰かに吐き出さずにはいられずついにアノマツに全てを押し付けることに決めた。
「悪魔の道義が知りたいって?」キネオムに呼び出されたアノマツが機嫌悪そうに答えた。
キネオムと顔があった瞬間に、自分が騙されたことをすでにアノマツは知っている。
「どうせあのゲス野郎の壊れっぷりを告りたいんだろ?」アノマツが冷たく言い放つ。
「何でわかったんです?!」キネオムが茫然自失している。
「人の頭の中を引っ掻き回して覗き見る能力が俺にあるってことぐらい覚えとけ。騙そうとしても無駄だ……」アノマツはもうすでにキネオムが告りたがっている司祭の異常ぶりを把握している。
「……だが、あれは素直に俺に告れ。恐ろしいものを見たんだろ?」アノマツが先回りしている。
実はアノマツも触手拘束変態プレイの楽しさを押し付けられて狂った欲望を植え付けられた。子供を産んだ直後にジーナの変異が始まる。今は子供がそれを一時的に止めている。
アノマツはジーナの変異に密かに異常な希望を抱いている。そう、ジーナの身体に数多の触手が生え、全身に絡みついたそれを這わされるという逃げ場のない快楽に囚われたいという実に変態でゲスな希望である。
アノマツの好物がゲソや煮ダコといった触手系なのもこの変態でゲスな欲望を抱くきっかけにもなっている。先端ぐらい試食してみたい。
キネオムは先程までの狂気房での変態ゲスプレイを全て吐き出すように告白した。
「それはすごいものを見たな……」真っ白に染まって天井から白い粘液がしたたる狂気房、想像するだけで壮絶すぎて恐怖する。
「絶頂に達しても意識を保ったまま吐き出し続けてました……直視に耐えない……忘れたい……」キネオムは相当参っている。
「あれがカヘナシの『変態ゲス野郎』たる所以だ……しかもあの能力は変異で得たものではなく遊びを極め、さらに変態まで極めただけのことなんだ……信じがたいが……」アノマツさえも呆れ返っている。
「つまり経験の積み重ねが人外の領域の更に外側まで行き着いてしまったんですね……怖い……」キネオムがガタガタと震えている。
「大人の狂気の至る先を見たか?」更にアノマツが脅しをかける。
「……」キネオムが口を開いて呆然としている。敵にするべき者たちの底力に未熟さと力不足を痛感してその自信は木っ端微塵に粉砕された。
「ただ唯一の救いがある。あれ以上の変態ゲス野郎はこの世に存在しない。たとえ悪魔であってもだ……全ての魔を超えた変態ゲスっぷりだ……あれが最初の対戦相手ならほかは楽勝だ」アノマツが最後に救いを残した。
「あの白い蜜を吸い続けられるとあの『変態ゲス野郎』以外の人間は全ての生命力を失うか、快楽で脳が破壊され身体の構造まで崩壊する。俺を含めた魔性にとっては極上の餌食だが、俺には興味がない。吐き気がする……」アノマツが語りたくない事実を告げる。
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