Downfall The Empire of Tahjimar
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第36話 帝国皇帝タジマールの恐るべき真実(その1)
第36話 帝国皇帝タジマールの恐るべき真実(その1)
帝国守護神の最高司祭だったタジマールは宗教学に秀でていた。タジマールが興味を示したのは自分が崇める帝国守護神が暗黒の神々より後に現れた神であることだ。
つまり神は「創造できる」とタジマールは結論づけた。
強大な個体、つまり人間の領域を超えた存在に力を授け、神にする。それをタジマールとその仲間は実行に移した。
今から25年近く前のことになる。
タジマールとその仲間が選んだ強力な個体は最大の攻撃力を持ち、オークが飼いならしている巨大グモだった。その破壊力は帝国を何度も苦しめた。
巨大グモに祈りの力を注ぎ込む。帝国守護神の持つ「束縛」の力を数年かけて巨大グモに送り込んだ。
巨大グモは「束縛する神」となり、タジマールとその仲間たちは神の下僕となった。
束縛する神は自らの仔を信者に宿すことを求めた。タジマールとその仲間たちは力を求め、神の仔を受け入れた。
数年間、蜘蛛の糸に覆われた繭の中で仔を定着させる。神の仔と同化することでタジマールとその仲間たちは悪魔に等しい能力を得た。
それどころか神の仔と同化した者は人間とクモの両方の姿を取る。クモの姿の時には支配したい相手を糸で束縛して仔を植え付けて束縛する。
こうして帝国は徐々に束縛されていった。
タジマールとその取り巻きの仔と同化して自らの意思を失った聖職者を操るタジマールとその取り巻きは帝国世俗派とその協力者を残酷に処罰して人々を恐怖で束縛した。
その聖職者は恐怖と屈辱で敵の精神を捕食する力を持っていた。
兵士を操りキケオムの母親に屈辱を与え、その精神を絶望によって捕食させたのも指揮をとっていた聖職者だった。
ただしキケオムは全てを捕食されることを免れた。彼は滅びることを望んだが、代わりに快楽を覚え、それを失えずにいた。
つまり快楽で屈辱を与えたが、屈辱以上にその甘美さを身体に刻まれることでキケオムは捕食されなかった。
絶望で理性を失い、一時的に白痴に陥っていたが、それが思わぬ方向へと転がった。永遠を捨て去りたい悪魔は理性を失うことを望んでいた。だから不要なものをキケオムに全て押し付けて消え去った。
みだらな欲望だけしかその精神に残されていなかったキケオムが淫魔となるのは当然の結果だろう。
束縛する神はまだ使徒を生み出す力に乏しい。タジマールとその取り巻きも神を独占したい欲望から神が仔を授けることから遠ざけていた。
そのかわり下僕の仔を宿し、操られているだけの聖職者が増えた。帝国守護神の加護を失った聖職者たちが魔術の力を取り戻すにはレネゲートとの危険な契約が必要となり、タジマールとその取り巻きはそれを命じた。
聖職者はレネゲードの名を捕食し、その名でそれらを束縛して使役した。
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