深淵の王子様と旅の仲間たち

サーバに負荷をかけているだけのクソコンテンツです。(おバカBLにつき時間の無駄)

その1:深淵の王子様、煩悩故に旅に出る

レッド・スクエア地域は「緑の肌の一族」「亡者」「蛮族」そして「深淵の一族」の4勢力が争う世界でも最も危険な場所だ。

200年ほど前に深淵の一族がこの地に現れるまでは蛮族は緑の肌の一族と亡者の両者を敵にしていた。

どちらも話で決着のつけられる相手ではなかった。

新たに現れた深淵の一族は強力だ。敵に回せば蛮族は確実にこの地から消えることになる。

だが、深淵の一族とは話で決着がつけられた。蛮族は深淵の一族の配下となることで生き残りを図ることにした。

それ以降は深淵の一族とは友好的な関係が続いている。彼らが悪の権化だとしても……

深淵の一族の純血種は永遠の命を持つとされる。今、地上に留まっている者たちも人間の血が混じっていても寿命は極めて長い。

ただしその長い寿命は最も繁殖力の強い人間と交わっても普通の方法では子種を残せないという原因になっている。

子種を残すためには「合意した相手に『深淵の果実』を与える」必要がある。

『深淵の果実』を一度口にした女性は深淵の一族の子を宿し、産み落とすと同時に深淵の一族へと変化する。

「深淵の魔女」はこうして出来上がる。人間ではたどり着けない領域へとたどり着けることから「合意」をする魔女には事欠かない。

深淵の一族の王子アレアウィンも子供が欲しい年頃をとっくに過ぎている。正直焦りも感じている。自分が儀式をするには条件がある。

深淵の世界に封印されていた「破滅の指輪」が見つかるまではアレアウィンの儀式は先に延ばされる。ただしアレアウィンは深淵の一族であり、寿命も長いのだから焦る必要はない。

だがアレアウィンはある話を聞いてしまった。それは「例のアレ」の話だ。その話を聞いてから「儀式をする」ことしか頭に浮かばない煩悩の日々が続いている。

「父上!いや、魔王どの!『儀式』をさせてください!」アレアウィンは何度も要求した。アレアウィンの父親である深淵の一族の王、つまり魔王はうんざりした。

アレアウィンの母親は美貌の持ち主でアレアウィンも稀に見る美男である。特に母親譲りの大理石のような苗らかで白い肌は男さえも魅了する。

深淵の一族であることから額には漆黒だが万色の輝きを放つ短い角も生えている。ただし、前髪や被り物で簡単に隠れる長さである。エルフに間違えられることすらある。

その美貌の王子がずっと「儀式がしたい」と求めているのだから父親としては頭が痛い。

仕方がないので「世間の厳しさを教える」ことにした。

「儀式がしたければ『破滅の指輪』を回収して持ち帰れ。そうすれば儀式のための『深淵の果実』を渡してやる」魔王はかなり無謀な条件を提示した。

なぜなら「深淵の一族」が地上にきた理由は「『破滅の指輪』を回収し再封印する」だけだったのだ。

すでに200年も手を尽くして探しているが見つからない。息子の頭が冷えるか指輪を持ってくるかどちらかと魔王はたかをくくっていた。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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