深淵の王子様と旅の仲間たち

登場人物全員チコちゃんに叱られろ!といいたくなるほどおバカなエロエロダークファンタジー。

その4:深淵の王子様を悩ますトラウマ従者の存在の耐え難い軽さ

アレアウィンの旅にはハーフ・オークの従者「ケデラリエル」が同行している。ケデラリエルの実力は認めている。だが、この従者にはとんでもない欠点があった。

人間の母親に見捨てられたケデラリエルはオークの村に住んでいた。ケデラリエルを育ててくれたのは父親ではなく村のボスだ。しかし、幼少時にその村が亡者の群れに襲われた。ケデラリエルは亡者の殺戮を見て恐怖から気絶して崖下へと転落した。

ケデラリエルを拾ったのは蛮族だった。だが、人間ともオークともつかないケデラリエルを育てる気など毛頭ないので深淵の召喚士の軍勢に売り渡した。

だが、ケデラリエルは内向的で好奇心のかけらもない。探究心など永遠の0だ。結局、深淵の一族が話す現代暗黒語も会話できず、共通語だけを話している。

ちなみに王子のアレアウィンは現代人間語と現代暗黒語、現代共通語、現代エルフ語の読み書きには不自由しないし現代オーク語会話も堪能だ。

深淵の召喚士とも打ち解けられなかったケデラリエルとは現代オーク語か現代共通語で話している。

アレアウィンとケデラリエルが「トラベラー・ロード」の森の中の街道を乗用馬で進んでいるとスケルトン16体の待ち伏せを受けた。

よく見ると森の茂みに遺跡らしき物がある。

アレアウィンはバスタードソードと盾を構えて馬上から飛び降り、崖を背にして戦闘態勢に入った。

だが、亡者恐怖を抱えたケデラリエルは恐怖のあまり逃げ出した。しかもアレアウィンの荷物ともどもだ。

「またか……」怒り混じりの諦めのつぶやきと同時にアレアウィンはスケルトに剣を全力で振り下ろした。最弱亡者は一撃で粉砕された。

ケデラリエルは馬でひたすら逃げている。目的地なんてお構いなしだ。そのケデラリエルを12体のスケルトンが追っている。

その間にアレアウィンはスケルトン合計3体を一撃で粉砕した。

アレアウィンはケデラリエルを探そうとした。だが、王子に狩猟や追跡、サバイバルといった野生の技能がなかった。自分のお坊ちゃま育ちを悔やむしかない。

アレアウィンの頼りは読み書きだけ。結局、アレアウィンは案内板をたどってトラベラー・ロードの旅の拠点でもある「トラベラー・ホールド」に怒り心頭で向かった。

アレアウィンがトラベラー・ホールドに到着すると、ケデラリエルがすでにここにいるのを発見した。不機嫌そうにアレアウィンはケデラリエルを睨んでいる。

ケデラリエルは恐怖とバツの悪さのあまり荷物をおいて再び逃げ出した。

「ケデラリエル!貴様!なに考えてんだ!」アレアウィンが叫んだが、すでにケデラリエルは消えていた。

「仕方がない、酒場で周辺の情報を集めよう。できれば役に立つのを雇うことも考えねば……」アレアウィンは酒場と宿屋が共用している馬小屋に馬をつないだ。

「おっ、馬の餌食べ放題なのか……」読み書きができるということはとても便利である。アレアウィンは愛馬に餌をやってから酒場の扉を開いた。

「えっと、とりあえずホットドッグとハーブティーを頼む」アレアウィンが酒場の主人に注文した。

「読み書きができる客とは厄介な……」酒場の主人が料理の支度を始めた。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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