Dungeons & Badlanders episode 1

題1話 滅びの旋風は突然に

ハイエルフの高度な魔法文明は繁栄の頂点で一瞬で消し飛んだ。

「滅びの旋風」がやって来ることは都市生活を営んでいるハイエルフから「下等」「蛮族」扱いされていたウッドエルフによって予想されていた。

ウッド・エルフは自然の力が産み出した妖精族なので大気の異変、木々の恐怖を感じ取っていて、近いうちに世界は全てを吹き飛ばす旋風にさらされると予想し、木材と苗木、火種、手斧を含む工具を持って東側斜面に入口のある洞穴を探してそこに退避した。

かつては犬猿の仲だったドワーフの鉱山に立ち入ってしまった一団もいたがドワーフに事情を話すとドワーフたちのはからいで人間も可能な限り避難させた。

ドワーフたちはあまり鉱山の外に出ない。鉱山にない木材を取りに行くときだけ山に現れる。

これからドワーフたちの世話になることにしたウッドエルフと人間は木材を可能な限り鉱山へと持ち込んだ。

ウッドエルフ、ドワーフ、人間がハイ・エルフに「滅びの旋風」を警告する。だが、ハイエルフは自らが築いた魔法の城は「滅びの旋風」に耐えられると避難することを拒否した。

ただしハイエルフの中でも地下牢に繋がれていた罪人だけが城を去るよう命じられた。

後に地下牢に繋がれてたハイ・エルフは滅びの旋風に魔法の城は耐えられないから避難せよと主張した賢明な者たちだと発覚する。

運命の日、地上の全ては滅びの旋風で吹き飛ばされた。生物の直感で洞穴に避難していた動物や元々地底で暮らしているオークやゴブリンといった闇の種族も無事だった。

エルフが存命のうちに根を残していた草や大地に種子を残していた低木は蘇り、ドワーフ鉱山で生き延びた者たちは地上へと舞い戻った。

ハイ・エルフの都市は全て廃墟と化していた。その廃墟には亡者や悪鬼、巨人が住む最も危険な場所となっていた。

狩猟と採集から粗末な農村を作った生存者たちはしばらく世界の再生だけを考えていた。

だが滅びの旋風で一瞬に全てを失ったハイ・エルフは深淵の世界で「暗黒の精霊」として復活する。暗黒の精霊に肉体を乗っ取られた生物は「悪魔」と呼ばれる生物へと変化する。

やがて闇の精霊の力はオークやゴブリンに魔法の力を授けるなど地下の住人を虜にした。

人間は「死霊」として亡者の世界を地下に築いた。死霊の力に魅入られた人間はヴァンパイアとして地下で永遠の命をさずかった

ヴァンパイアの他にも肉体を持たないレイス、人間の死体に憑依して生者を攻撃するワイトなどの亡者は地下迷宮の侵入者を捕食し、同類を増やしていった。

ヴァンパイアは死霊魔術という独自の魔術を編み出した。

悪魔と亡者、暗黒の精霊の虜となったオークとゴブリンはそれぞれの地下迷宮を強固にするために黄金や魔法のクリスタルを採掘し始めて、必要な黄金と魔法のクリスタルを暗黒の精霊や悪霊に捧げては強く存在し続ける力を蓄えていった。

その頃過酷な地上では激しい生存争いが生き残った者を鍛えていった。生き物や採集可能な植物が増える度に争奪戦が繰り広げられた。この争奪戦の過酷さは、後に暗黒の精霊の力を借りてきた地下のものさえ打ち負かす強者を数多産み出した。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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