Dungeons & Badlanders Episode 2

題2話 これが本当の「か・え・り・う・ち」

地下迷宮で力を十分につけた「暗黒の諸族」は地上で生き延びている「危険な奴ら」の実力を甘く見ていた。

最初の地下対地上の戦いは地上側の圧倒勝利に終わり、地下第一層の迷宮は略奪され尽くした。暗黒の精霊や死霊の力が地上の者に使用されないように略奪のあとは「ほこら:を破壊し尽くすのが地上側の地下襲撃における唯一のルールとなった。

中には「ほこら」を自分のものにして暗黒の精霊の庇護下に入った者たちもいる。それまでの地上だけの過酷な闘いは「更に強く」という野望を抱かせるに十分すぎた。

地下迷宮での略奪の間、前線基地は城塞都市として短い間だけ繁栄する。悪魔の作り出した魔法の武器やオークとゴブリンの生命力の源であるビールは地上の人々にも重宝した。

ドワーフも地下の住民が掘り尽くしていない黄金と魔法のクリスタルをなくなるまで採掘し続けた。

地下迷宮から得るものがなくなれば城塞都市は廃墟として放棄され、地下との別の戦場の前線基地に強者達は移住する。

廃墟には地下迷宮を追われた暗黒の一族の生き残りが身を寄せた。暗黒の諸族は夜になると破壊された地下迷宮跡から廃墟へとおもむき「不用意に」野営するものや迷い込んだ者たちから略奪と繁殖行動を行った。

新たなるマスター・ヴァンパイアにふさわしい存在は捕獲して地下迷宮の中で時間をかけた吸血で作り出す。一週間に一度、生者としての生命力をと亡者の死を逆転させた負の生命力に完全に入れ替えるまで執拗な吸血が繰り返される。

悪魔とオークは人間やエルフの女性を見つければ身ごもらせ、魔族(ティーフリング)やハーフオークという混血種を産み出した。

最初は地下を追われた者たちに従順だった魔族とハーフオークだが常に見下されていたことから自分の実力だけを頼りに自立を試み始める。

魔族は悪魔の、ハーフオークはオークとゴブリン、新たなマスター・ヴァンパイアは亡者の地下迷宮を防御し交易の窓口となる城塞都市を建設した。

後に交易都市と呼ばれる地下と地上の交流地点は略奪都市からの攻撃を受けたが遠征してくる略奪とし側の軍隊は不利な環境での戦いで負け続け、ついに略奪都市が交易都市へと変わっていく。

交易都市の出現で世界はハイエルフ文明時代の繁栄を取り戻しつつあるが、相変わらず廃墟には交易都市間を行き来するキャラバン(護衛付きの隊商と駅馬車の一団)を襲撃する事件は続いている。

交易都市の商人ギルドが隊商の荷物が奪われたときの損金を支払う「保険組合」というビジネスを始めたところ、大部分のキャラバンが無事に目的地に到着することで保険契約金が全額利益として帰ってきた。

だがキャラバンが略奪にあい、行方不明になることも時々はある。

傭兵と盗賊が今度は保険組合側の行方不明貨物捜索チーム、「バッドランダーズ」を結成した。キャラバン護衛任務や交易都市守備隊から凄腕が行方不明貨物の回収という実に設けの大きい仕事に飛びついた。

この先はhulu有料記事ではなく、ここまでが序章です。

これからいよいよ本編に入ります。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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