Downfall The Daylights pt.22

「アクの強い」作者「タコ・ライス」が送る鬼畜極悪ダークファンタジーラノベです。

その頃ジュニヤは強烈な闇の衝撃をまともに受けてショックを起こしている。とっさに武人としての本能が働いたのか、アダールが舌を噛ませまいと右手を強引にジュニヤの口に突っ込んだ。

次の瞬間のことだった。ショックを起こしたジュニヤがアダールの右手の指4本に噛み付いたのである。

激痛が第2の魔力暴走を引き起こす。階下のゾンビと死霊魔術師が2度めの魔力暴走で粉砕される。

しかしアダールはそれ以上に精神的なショックを受けている。

ジュニヤの口からなんとか抜いた右手の指が4本食いちぎられていたのだ。武人の利き手の指を4本食いちぎられるという不手際と、指4本がないというイメージが容赦なくアダールを打ちのめす。

「なんで……利き手を突っ込んだんだ!俺って相当馬鹿じゃねーか!頼むから生えてくれよ指っ!」完全にアダールはパニック状態だ。

その横でジュニヤが指4本を食いちぎったおかげでなんとか落ち着きを取り戻す。

横を見るとアダールが手首を抱えて自分の手を見つめている。

「なんかあったの?」どうやらジュニヤにアダールの指を4本食いちぎった記憶はないようだ。

「指を食いちぎられたがまた生えた……一時はどうなるかと心配に……」こっちも今は落ち着いている。

「ともかく相当やらかしいたらしい。逃げるぞジュニヤ!」アダールはジュニヤの腕を引っ張って走る。

ところがアダールのプライドが木っ端微塵に打ち砕かれる。ジュニヤが真っ暗闇の森を自分が追いつくのがやっとのスピードで走っているのだ。

「あいつ、前見て走ってるよな?」内心不安になりつつもここで別れたら話にならない。ひたすらジュニヤを追いかけるアダールだが、引き離されないのがやっとのこと。

こうして森を抜けたら属王国軍に包囲された。

「飛んで火にいる夏の虫とはまさにこのことだな……」ボスがほくそ笑んでいる。

「敵兵無数が山の稜線にいます。対応できない数の軍勢です」観測兵が報告する。

次の瞬間ボスがサトケンに短剣を手渡す。

「最終手段を行使する……」ボスがサトケンに命じる。アダールに襲いかかるサトケンの瞬発力に呆然とするアダールの肝臓に背後から短剣が突き刺さる。

またもや激痛が全身を駆け巡る。

「何しやがる痛いじゃないか!」アダールが激怒する。

「当たり前だ、目の前の軍隊蹴散らすまで刃物ねじり回すから覚悟しろ!」いきなりサトケンの手が胸に忍び寄る。

「冗談じゃない、胸触られた挙げ句背中刺されてるってまともじゃねぇ!」アダールが流石にブチ切れる。

「まともじゃない状況でまともな対応ができるか!腹くくって責任取れ!」サトケンの叱咤と同時に背中の刃物がねじられる。

「畜生。眼の前の敵ぶっ飛ばせばいいんだろうが!」次の瞬間、闇の力が敵の中央部を壊滅させる。

「敵の左翼が前進した。次は左を潰せ!」ボスが無慈悲な命令を下す。

「やれ……」サトケンがアダールに命じる。

「無理……」どうやら自力では力が発揮できないようだ。

「すまない……」左の敵を目視させながらサトケンが刃物を逆方向にねじる。

「今度は更に痛いじゃねぇか!」敵左翼に猛烈な黒い旋風が巻き起こる。

「敵左側全滅ですが敵右翼が前線を突破寸前です」背後から観測兵の声が飛ぶ。

「今度は自力でぶっ潰す!」アダールが右の敵を目で捉える。破壊をイメージして最大限の力を引き出す。

次の瞬間、右翼の敵が全部自爆した。観測兵から悲鳴が上がった。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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