INCERGENCY Companies of Rogues REDUX pt.1
人工無脳のハードコアラノベ第2話です。画像はクソコラ。
「あのガキなかなかの才能の持ち主だ……」チーム1の隊長でスペシャリストのワイズがシュートハウスの的を見る。
射撃しているのは16歳の新人、ノブレスだ。一番攻撃力の低いグロック19のレーザーサイト付きを渡したのだが、レーザーサイトはいらなかったようである。弾丸全てが可動目標をなぎ倒しているのだから次のおもちゃが必要だ。
「レーザーサイトを外して撃て。目標を14発で7倒せば次の銃に進む」ワイズがノブレスにレーザーサイトを外しての射撃を要求する。初心者には難しい芸当だ。ただし銃が小型拳銃だけに難易度の低い標的が対象だ。
「了解しました……」なれた手付きでレーザーサイトを外している。
ノブレスがグロック19を構えて射撃位置に立つと同時に可動目標が出現する。最初の目標は秒殺だ。
2つ目の目標も秒殺だ。新入りたちの目が釘付けになる。一番攻撃力の高い大型拳銃でもこの成績を出すのは難しい。
3つ目の目標を秒殺だ。7発で7を倒せば最優秀射撃者である。
4つ目の目標も秒殺だ。いよいよパーフェクト達成か?
5つ目の目標は秒殺の上のブルズ・アイ。ワイズでさえも寒気を覚える。
6つ目の目標は難易度が高い。さすがのノブレスも1発を外す。この時点で最優秀射撃者の権利は消えた。
7つ目の目標を秒殺した時点で弾倉が空になる。スライドが後退位置で固定されている。ノブレスは速やかにスタンスを変え、弾倉を交換して再び射撃位置に立つ。
「今の弾倉交換動作は評価に加点する。新入りども、弾倉を交換する時は遮蔽物に身を隠すか、スタンスを変えて当たり面積を小さくする。でないと頭を撃ち抜かれる。それが実戦というものだ」ワイズがノブレスの弾倉交換動作について説明する。
「やはりこいつは天才だ……」ワイズ以上の射撃力の持ち主、チーム1のエンジニアであるシャイニが見つめている。
弾倉を交換して射撃位置につくと9つ目の目標が出現する。8つ目は弾倉交換中に現れて時間切れで消えた。9つ目の目標を射抜いた時点で7つの目標を倒すという資格検査に合格した。この時点で練習も終了する。
「文句のつけようのない合格だ。次は大型のM9拳銃の15で7を射抜けば拳銃過程は終了だ。拳銃のライセンス申請もカンパニーから機構に送っておく。まあ、最初はM9の反動になれるのが難しいところだが……」ワイズがノブレスに伝えた。
「16歳でM9を撃たせてもらえるだけでも十分な快挙だが、機構の拳銃射手ライセンスを取得するとなると残りはショットガンかアサルト・ライフルの射手検定合格と、手榴弾を数発自分の前に投げれば正規戦闘員契約対象だ。やはり天才の呼び名通りの成長ぶりだ」士官学校卒でチーム2隊長、スペシャリストのハミットが高評価を与えている。
ノブレスは最大の都市「エデン」特別市の出身だ。ただし今のエデンの治安は最悪レベルの状態だ。流石に市街地で軍用車両に乗り回すのはご法度だ。しかしカンパニーの戦闘員でなくても護身用にサブ・マシンガンもしくは連射機能なし軍用ライフルを所有することは認められている。
それ故に犯罪の巣窟となり今では「ロスト・エデン」と皆が呼ぶ。「失われた楽園」という意味だ。だが「ロスト・エデン」から転居するのは非常に困難とされている。
それはエデン特別市政府が「特殊技能労働者の移動の禁止」という法律で多くの技術者を束縛していることに他ならない。
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