INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.3
今日は天然無能の中のクマのクソコラはまともです。
その頃同業他社のブラック&イエロー・ファシリティーズ社では作戦会議が開かれていた。
ブラック&イエローはA-ランクのカンパニーだが、最近は作戦の甘さが失敗につながりその評価は今年初頭のAaから一気に下降した。
実戦部隊の構成は付属のAランク予科学校からの採用が大多数である。付属予科学校からの採用者は普通の傭兵としては優秀である。しかし士官学校や一般大学で工学、経済学、情報技術学、軍事学、軍事地理学等を学んでいる戦闘員が不足しているのが問題なのだ。
特にブラック&イエローはオフィスビル関連の危機管理を本業としているが、ビルの制圧は非常に難しい任務である。
最近はブラック&イエローの評価の低下でマーケット・ガーデン州内での同業務はBaのフルメタル・セキュリティーに依頼されるのが大部分だ。
フルメタル・セキュリティーの戦闘員は士官学校や一般大学卒が多い。一般大学卒でも有益な専門単位を持っている者がほとんどである。
シャイニは電気技師の資格を高校時代に取得している。大学が経済学科だったため、敵の武器蓄積所を見れば組織の経済力ぐらい判断がつく。
ワイズは一般大学の語学科に2年までいたがそれまでに在籍学科の語学検定に合格して目的を達成したために学科を変更して社会科学科に移し、危機管理学と軍事学、経済学と法学の専門単位を持っている。
戦闘技術は大学を卒業してから鍛えたが、天性の集中力から短期で上達を見せる。
一般教養と外国語の単位数は2学科卒業分あったため、カンパニーが学費を負担して看護短大に通って1年で専門単位を全取得しその年の国家資格試験で仮合格している。2年次は短大を離れインターンとしてカンパニー傘下の救急病棟で実技を磨いて正規に合格して国家取得を取得した。
故にワイズは人手が足りないとマーケット・ガーデン市消防の救急救命士のヘルプに入ることも多い。それだけで職業にできる外国語の検定資格が3つもある上に救急救命士としての腕も評判が高い。
稀に見るユーティリティーだが、一番稼ぎのいい仕事がカンパニーの戦闘員というのが社会の現実だ。
戦闘員の構成の多様性からランクとしては下のフルメタル・セキュリティーのほうがビル制圧の実績も能力も今では上回っている。
お約束どおりブラック&イエローの戦闘員、ハザードからフルメタル・セキュリティーの戦闘員ユータスに援助を求める電話がかかる。
「またハザードの職場がトラブルだ……」着信音でハザードだとわかっている。本業で躓くたびに士官学校の同期であるユータスに電話が来るのだからたまらない。もっともその稼ぎの10%はコンサルタント料としてフルメタル・セキュリティーが受け取っているのだから電話に不本意ながら出ることにする。
「ユータスまたトラブルだ。ビル制圧なんだけど……」着信前から予想されていた話である。
「うちの情報担当スタッフに今連絡する。コンサルタント料が発生するけどそれでいい?」ユータスが一応承認を取る。
「仕事をこなせないよりはマシという判断だ。コンサルタント料10%でどうだ?」ハザードが交渉を持ちかける。スタッフが◯サインを出す。
「いまスタッフからそちらの個人に電話し直すからしばらく待ってろ」そう言ってユータスは電話を切った。
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