INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.4
まだまだ内容はまともです。by天然無能な中のクマ
「担当のトーマスですが依頼内容をお伝え下さい」ハザードが着信に反応して応対する。
「あ、フルメタル・セキュリティーの方ですね。ビル制圧任務のコンサルティングを依頼したブラック&イエローのハザードと申します」ハザードが慇懃無礼に対応する。
「で、制圧対象の物件の住所をお知らせください」担当の対応が変に慣れている。まさかあの超名門で評価Aaのレッドインダストリアル・ディフェンス社までこの担当に助けを借りてるのでは?
実は的を得ている発想だ。レッドインダストリアル・デイフェンスも他の名門カンパニー同様予科からの採用が増えたため同様の仕事のトラブルを抱えている。
「物件の住所を確認しました。電力は送電されているようです。詳細は確認できないので次の4つの建築物から対象物件の内部を偵察すればコントロール・ポイントが設定できるはずです」ハザードのSMSに着信がある。4つのビルの窓の位置まで指定されている。
「ここで予算額上限です。ここからの支援は別料金になります」トーマスがそう告げる。
「わかりました、手詰まったら追加支援料金を支払って支援を受けさせていただきます」ハザードが媚びているがトーマスからすれば呆れて物も言えない。
トーマスをリストラしたカンパニーのリストには先方のブラック&イエローも含まれているのだ。
トーマスの職歴は転職の連続である。トーマスが飽きっぽい性格なのも原因だが、それ以上に戦闘員としての体格の不利によるものが多い。
その間にトーマスはリーコンかエンジニアを主にしていたが、その間に電気関連工作及び情報担当としての技術をしっかり磨いている。今のカンパニーに出戻ってからも様々な国に留学してその国の語学と情報技術資格を持って帰っている。
「ユータス、電話を充電しておいたほうがいい。作戦に成功しても連中は再び泣きついてくる。どうやってエレベーターの再起動をするの?結局ウチのカンパニーが遠隔操作で再起動するしかないでしょう……」トーマスがユータスに告げる。
「トーマス、夜食買ってくる……」ユータスはそう言ってトーマスの大好きな甘栗を買いに街に出た。
「念の為バックアッパーとして待機する。その場合のこちらの取り分は110%だったっけ?」ワイズが経済専攻のシャイニに尋ねる。
「110%はお値段以上の価値がある。任務の失敗度合いによっては上限額の125%を請求できる。あとは先方の請負価格次第というところ」シャイニがビジネスライクに計算する。
「先方の請け負い額によってはウチの通常業務より稼げるな……」同じく軍事経済学を士官学校で専門科目で履修していたハミットが補足する。
「……いい加減他社も資格者を雇え」格闘技師範資格を複数有するバトラーがため息をつく。バトラーはサポート以外全てをこなす戦闘のスペシャリストである。
「そのくせ『ハイエナのBランク』って業界評価は不満だな」ワイズが愚痴をこぼす。Bランクカンパニーの割に収益で困らないのも他社の取りこぼしによるものが多い。
「まあ、こっちはサポート業務待機なのだがアユユとツジィーは都会の仕事に慣れたのか?」ワイズが久々にトーマスと話す機会があったので新人2人の仕事について問い合わせた。
0コメント