INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.54

イグ・ノーベルに触発されてますby天然無能@バナナ萌え

10分以内で救急班が扉を叩く。すぐにハミットが扉を開く。救急班はすぐに察した。

「バナナの匂いが強いようですが……なにかスプレー等を使用しましたか?」救急班の一人が尋ねる。ヘルメットに線が入っていないことから新人らしい。もうひとりの線付きはすでにバスルームにいる。

「いえ、差し入れの実物を食べただけですが……」それで遊んでいたとは恥ずかしくて流石に言えない。まして変態2人の道具にしていたなど……

「呼吸は不安定、心拍数は高めだな」搬送班の線付きはメディカルキットからポンプ式の吸入機をハザードの口にあてがい肺に空気を緩やかなリズムで送り込む。

「どの食品でも過剰摂取でアレルギーを起こすことはありますし、空気があまりいいとは言えないので入り口を開放させていただきます。担当救命士は最悪の場合に備えてAEDを手配中なので、数分かかると思います」線なしが応対する。

「おい、呼吸の維持を担当しろ!」バスルームから指示が飛ぶ。線なしは慌ててバスルームへと向っている。

バスルームでは線付きが非接触の体温計をハザードの額に当てる

「38.8℃か……高いな。部屋の温度を下げてくる……すでに25℃まで下げているのか……」体温の計測を終えると線付きが部屋のエアコンを操作して冷房の強度を最強にする。

「呼吸は落ち着いてきましたが頭部固定の必要は?」線なしがバスルームから指示を仰ぐ。

「頭部強打の跡はない。板に固定すれば問題ない」線つきが指示を出す。

「患者の現状は?」2本線のヘルメットをつけてマスクをつけたワイズが線つきに質問する。本来だったら3本線か救急センター送りのワイズだがサブビジネスなので昇進試験を受けず最下級の2本線での勤務である。

「呼吸、心拍数ともに高め、体温38.8℃。バナナの大量摂取の痕跡あり。頭部外傷の形跡はなしです」線つきが回答する。

「同室者は患者の身の回り品の整理と貴重品の確保、搬送後の部屋の施錠、フロントでの手続きをお願いする。患者が病変で搬送されると部屋の清掃が入るので……AEDをフロントから借りましたが清掃班に回収は依頼します」ワイズが意外な一面を見せる。

ヘルメットとマスクでかくも人は別人格に慣れるのか?少なくとも今のワイズは救命士238番として立派に勤務している。

「わかりました。指示に従います」ハミットが答える。

(搬送先についたら連絡する。それまで他人でいろ)通りすがりにワイズが耳打ちする。声を聞き慣れていなければ本人とは気づかない。

こうして救急班は手際よくハザードを救急車へと運び去っていった。

車両に到着するとワイズは手際よく心電計と体温計をハザードの身体に貼り付け、酸素マスクを装着する。

「救命士238番です。患者のバイタルは呼吸、心拍数は高めですが波形の乱れはなし、現在の体温は38.5℃前後で推移。受け入れ希望先ですがアレルギー内科、内科一般、あと精神科3科のある高次指定病院を優先確保願います。3ヶ月以内に犯罪被害で危険薬物を投与されています。トリアージ結果はイエローです」

「受け入れ先が決まった。遠いが道路は空いている。黄色なら無事につける距離だ。病院名をそちらの端末に送る」市消防司令部から返答が来た。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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