INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.55

今から会見開始って終電はないぞ……by天然無能@ハマのランドマークが許しません!

(リバーサイド・エッジのすぐそばのあそこか……脳や内臓の手当は適切だが筋肉と皮膚の縫合に難がある。まあ、最悪の下手くそが担当なら俺が縫えばいい話だ。第1候補が取れたな……)ワイズが病院名を運転手に告げる。

ちなみにワイズはインターン先が救命センターだったため手術看護師の資格も取っている。

古着再生趣味があることから手縫いは得意だし、娘たちの潰したぬいぐるみを抜糸して綿を再装填して再縫合はワイズお得意の家事でもある。

インターンの医者に抜糸と縫合だけは負ける気がしない。

パーク内ホテルからの直線距離は遠いが裏道を知っている上に警告灯を鳴らせば信号無視と一方通行路の逆走が許される。予想到着時間は15分というところである。

(線なしはごまかせるが1本線は気づいてるな……こいつらの遊びはやりすぎ……全身に痕跡残しやがって……)正直ワイズと1本線は呆れている。

「知り合いの方?」1本線がワイズに尋ねた。

「知らないな……ただ最近の仕事がこの患者の担当だっただけだ」ワイズが1本線をなんとかごまかそうと試みる。まして一緒にいた間男が自分の本業の同僚とは……

「犯罪被害って?」1本線が更にワイズを追い詰める。

「危険薬物を投与されたあとの性犯罪被害だ。それ以上は俺も知らされていない」ワイズが顔を向けずに答える。あと一本交差点を曲がれば病院に到着する。

「ここから100m渋滞ですが、患者さん大丈夫ですか?」運転手からワイズに最後通牒が言い渡される。

「警告灯で突破できない?」ワイズが一応確認する。

「3車線全部が渋滞中なので無理です」非情な答えが返ってくる。

(これは搬送先でこいつから問い詰められるな……当然担当医からも……もう逃げたい……)ワイズは困惑を通り越して絶望の境地へと追い詰められていた。

(精神的にダメージ出たら労災申請できるかどうか自分が聞きたい……)ワイズはお値段以上の仕事の帳尻をなんとか合わせたい。

(全員にメシをおごるとして、その領収書をハミットが受け取って払うかどうかだ。そもそも奴の責任だ。俺の分まで絶対に払わせてやる!)ワイズは徐々に復讐モードに突入しつつある。

(しかしバナナはハミットの好物ではない……バナナが好物といえば……主犯はあの業界一の変態好きイニエガか?!)ワイズが第3者の存在に気づくと同時に車が救急外来の入り口に到着した。

「呼吸、心拍数も測定開始時より下がってますがかなり高め。体温は変化なしの38.5℃です」病院の担当医に説明する。

「担当の救命士の方ですか?搬送時の状況の報告書を記入した上でいくつか聞きたいことがあるのですが……」担当医から五寸釘を刺されてもう逃げられない。

「車だけでも返してもらえます?」一応車長でもあるワイズが担当医と交渉する。

「エリア外ですから車両には戻ってもらったほうがいすね」担当医がそう告げる。

「仕事が終わったら若いのと腹ごしらえに行って来い」無言で400元をワイズが1本線に手渡す。

「ゴチになります!」1本線の口はこれで黙るだろう。

「領収書をもらって俺に渡してくれ。経費で落とせるかやってみる」ワイズが1本線に伝える。

「了解!さあ、帰るぞ!」1本線は喜び勇んでさっさと部下を引き上げさせた。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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