子供に見せてはいけない有害なダークファンタジー

Insurgencyがバージョンアップで難しくなりました(泣)by天然無能@Counter-Strike:Global Offensiveに乗り換えようか検討中

第14話 魔王、弓兵訓練無事終了な話

「どうした?顔色が悪いぞ」体力担当の教官が笑っている。あれだけ走らされる必要があるというのか?こちらは目眩もするし心臓も限界だ。胃の中のものをぶちまけないだけ感謝してもらいたい。

「言葉も出なくなるほどか?だろう、制限無しで走らせたからな……」教官がほくそ笑んでいる。どうやら自分の限界に挑戦させる意図だったようだ。これを読めなかった俺はまだ若造だ。

呼吸と鼓動、そして頭が整うまで10分以上はかかった。

「やっと……言葉が出ますが……参りました……」俺はそう告げるのが精一杯だ。

「まあ、斥候としては期待できないな……それでも他の兵科では十分だ。伝令も含めてだ。今日はこれぐらいにしてやる」教官が笑いながら去っていった。

ちなみに斥候は歩兵と伝令出身の精鋭が集まる部隊であり、新兵がいきなり配属される部隊ではない。

腹立たしさが募って晩飯の丸焼き肉に八つ当たり。短剣で肉を裂き食いまくる。この日の俺の短剣さばきは後に狂気の沙汰と称されるほど見事だったとされている。

体力面に問題がない事がわかった途端、今度はいきなり実戦用の複合長弓を手渡される。この世界で木材は魔獣の骨や革より貴重品だ。兵士の弓も職人の手で魔獣の骨と革を組み合わせて作られる。

「見ただけで使い方を考えろ」いきなり敷居が高い。

いろいろ触ってみるが量産品だけに持ち手がやや手にフィットしない。ハンターなどのカスタムならこれを調整するのだろう。

弦をある程度引いた時点でこの量産品では手加減しないと弦が切れるか弓を壊して怒られるか見当がついた。戦闘中に余計な配慮をさせる代物だ。

第1射を放ってみる。狙い所と矢が当たったところで大体の誤差が読み込めた。一応的には当たったが、円の下側にヒットした。

第2射は修正してやや上を狙う。やっと円の中にヒットした。目を凝らすとまだ下の黒枠だ。思ったより矢が落ちる。

第3射は的の上を狙う。円の中にヒットした上に黄色円の範囲内だ。だがここから真ん中のブルズアイを射抜けるようになるには相当打ち込まなかれば無理だろう。

「ほお、指示なしの第2射から円を射抜くとは……他から聞いたとおりの逸材だ。第3射の黄色円を射抜いた時点で一般弓兵には合格だ」弓の教官が一言告げた。

「ただここまでの逸材となると特殊弓兵を目指す道もある。すでに予備兵としての給与は確定だ。どうだ?特殊弓兵を目指すか?あと2年10ヶ月と2週間実戦には出られないからやってみろ」教官が挑発する。

特殊弓兵がどういう兵科は知っている。弓兵のさらに裏側を狙う兵科だ。場合によっては敵将を狙うことから真っ先に攻撃される兵科でもある。

「希望は一般弓兵ですが訓練は受けさせてもらっても結構でしょうか?」教官に申し出る。

「ほお、意欲的だな。その態度は気に入った。給料は大事に使え。ある程度蓄えておいて実戦に必要な物を買い足すのに使うことも頭に入れておけ。支給品だけで生き残れるほど甘い世界ではない。まして特殊弓兵となると買い足さなければならない物も増えてくる」教官が俺が遊びで全ての給料を使い果たさないよう釘をさす。

俺も遊びで使い果たすつもりはない。訓練を見極めて買い足すものを決めればいい。

それに遊びで金を使うなど考えがたい。実のところ教官たちには迫られている。誰を選べばいいかは俺次第。一番出世につながる相手と夜につながっておけばいいだけだ。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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