子供に見せてはいけない有害なダークファンタジー
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第19話 魔王が教官に懲罰される話
懲罰といえばだいたい察しが付く。俺の面目が立たなくなるほどやり込められるのだろう。だがそもそも俺の面目とは?そんなものが存在した気が全くしない……
懲罰の時間が「終夜」と聞いてますます俺の面目など消え去った。俺は夜はとことん堕ちるとこまで堕ちる性分だ。堕ちていい場所ならどん底まで大歓迎だ。
と、いうわけで俺は相当やる気になっている。だが向こうの様子がなんか変。目つきといい普通ではない。まるでなにかに取り憑かれて操られているようだ。まあ、いいとしよう。
手荒く「懲罰室」に連れて行かれる。そこの中央に固くて冷たい石の寝台がある。ここに押し付けられて多少は俺も熱が冷めた。だがすぐにこの石版すら生暖かくなるほどの容赦ない愛撫が加えられる。しかも何人が俺を撫で回しているのか?考えるのも面倒なほどの数だ。
これでは「懲罰」どころかお楽しみ会だ。全員潰す覺悟は出来ている。押さえつけながら何人もが押し入ってくる。その度に呻く癖が出て相手を煽る。激しく追突されたがこうなるととことん多重追突していただこう。
流石に悶えて声が出る。浮ついたことも甘い声で言っていたはずだ。だが、これが「懲罰」なのなら容赦なく派手に乱れてやる。
と、いうわけで一晩俺は気が済むまで悶えて乱れた。相当こっ恥ずかしい声も上げただろう。久々に疲れるほどの夜遊びだ。これで俺が相当な色狂いであることは伝わったはず……
ところが教官の最上級、統括教官の方から詫びられた。俺は楽しんでいたのだが……
「あの部屋に閉じ込めておくだけで良かったのだ……だが懲罰房の鍵を開けたら全員が狂気に陥った。気がついたらとんでもない狼藉をはたらいた。上に伝えないでもらえれば希望通りの待遇に……」あの場に教官の統括まで居たという。統括まで俺と交わったという。
「これだけ大勢を狂わせるって……自分ってそんなに扇情的ですか?」深く考えたくはないが恐る恐る聞いてみる。
「あの懲罰房では大勢の敵将が処刑された。その怨念に満ちているのだよ。一晩閉じ込めておけば恐怖で反省になると思っていた……ところが閉じ込める相手が扇情的すぎた。こちらの身体をあの怨念が乗っ取った。どうやらあの怨念までもが欲情したようだ……それからはあの狂乱状態に……」統括が相当気落ちしているが、俺にしてみればこれほどの褒め言葉と名誉称号は見つからない。
「その怨念のほうがルームメイトとして相性が良いので今の訓練生棟から懲罰棟の1室に部屋を変えてください。あと、訓練生と別のところで食事をしたいので教官食堂の使用を許可していただきたい」俺はかなり高い条件を突きつけた。
「……正気か?」統括が俺の顔を見ている。
「あの舐め回すように自分を見ながら告白する勇気もない訓練生たちよりは自分を襲う勇気のある怨念と教官たちのほうが尊敬に値します!もうあの臆病欲情目線にはうんざりです。下品な食事態度も数ヶ月我慢しましたが、改善の意欲が全く見られない。あの向上心も好奇心もない鶏以下の勇気しか持てない訓練生たちと過ごすほうが気を病みます!」数ヶ月で我慢の限度を超えた不満をぶちまけた。
「……至極正当だ。希望通りに話を進めよう」統括も的を矢でめった刺しにされたらしくこちらの要求は全部通った。我ながら期待以上の結果を得て驚いている。
「夜這いして話が成立した場合は……いいのか?」統括が言いづらそうに俺に耳うつ。
「翌日が外出禁止の休日なら大いに結構です。昼と夜とでは性格が違うので……」これで話がまとまった。
翌日からは身の回り品全てを土嚢袋に詰めてさっさと訓練生宿舎から懲罰棟に引っ越した。
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