Downfall The Empire of Tahjimar

ついに竹書房ワールド突入です(閲覧注意)

第3話 魔性の美貌の黒歴史

暗黒の王子と呼ばれるアノマツには消し去りたい黒歴史がある。

美貌もさることながら滑らかで美しい肌の持ち主であるアノマツが男たちの群れに閉じ込められて無事で済むわけがなかった。

肌がいつも整っているのは再生能力があるからであり、特に念入りに手入れをしているわけではない。

安静にしていれば一時間で重傷から無傷まで再生するアノマツだが、うっかり処理してしまった体毛だけは再生しなかった。

頭髪も現状を維持している。丸刈りにでもしていたらと思うと背筋が寒くなる。

人間への擬態と再生能力の矛盾が引き起こした特異な現象だと後に説明されたが一度そった腕毛とすね毛は永遠に戻ってこない。

その滑らかな肌を水浴びをしていたところで見られたところでアノマツの運は尽きた。

恐ろしいほどの肉欲が頭に突き刺さっている。多数の者が自分に欲情し、その思念を自分が感じ取っている。

気がついた時にはもう遅い。14歳の見習いが熟練の傭兵複数を拒めるわけがない。

地面に押し倒されて押し入られる。いきなり切り裂かれ激痛に顔が歪んだ。だが、相手はその鮮血を見てさらに燃え盛る。

相手が自分からあふれる鮮血が地面まで流れ落ちるのを見て余計に欲情する。

その欲情ぶりが頭に勝手に入り込むのだから耐えがたい。

だが、その傷は相手が自分の中をかき回している間に全て回復していった。

傷が回復し始めてからは自分の中をかき混ぜられて突き回されることに完全に心地よさを感じていた。

体がさらなる快感を求め、口からは相手にさらなる刺激を求める言葉が勝手に吐き出される。

最後は言葉にならない呻き声をあげながら視覚も頭の中も真っ白になった。要するに絶頂へと達したのだ。激しく体を捩らせた後、細かく震えながら地面に崩れ落ちて朦朧としている。

意識がまともになるまで数時間は井戸の横の地面にひっくり返っていた。

その後は奈落の底へと落ちるように、誘ってきたらあの絶頂を思い出して拒めないという悪癖が身についた。

この悪癖を断ち切るべく、アノマツは残酷な兵士へと変わっていく。戦場では凶暴で甘さを全く感じさせない。

アノマツの凶暴さが知られると、夜の営みを求める相手は減っていき、ついに完全に消えてくれた。

そのかわり唯一の楽しみは武器を振り回し破壊することだけになった。体が飢えれば飢えるほど、戦場で自分の周りの死体が増えていく。

欲望の赴くまま殺戮を繰り返し、死体の山を作り上げる美貌の戦士は暗黒の神々まで魅了した。

「この最も邪悪な人間を悪魔に変えて人と交配したらその子供はその上を行く邪悪となるだろう」暗黒の神々が出した結論だ。

こうしてアノマツにとって最も困難な行為が命じられた。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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