Downfall The Empire of Tahjimar

エロエロファンタジーホラーゴアグロ注意

第18話 暗黒の王子、捕食の楽しみに取り憑かれる

アノマツが巨大な手で魔術師の頭を潰さない程度に握っている間に極上の闇が流れ込んでくる。思考に干渉する能力で魔術師の頭の中の闇を見つけてはそれを手から吸い出して自分に取り込んでいく。

手から吸収した闇の力が身体に一時的に蓄えられるときの喜びは捕食できる者にしか理解できない楽しみだ。癖になる。やめられない。

抜け殻を捨て去り別の闇の力を探る。近くに新しい餌食がいる。杖で殴りかかってくる餌食の頭を鷲掴みにして思考に介入して美味しいところだけを吸収する。

その繰り返しが実に楽しい。もっと捕食したい。俺はこの楽しみを味わえるだけで悪魔になったことを感謝する。

あまり長居すると食い尽くし、自分の敵が増えてしまう。今晩はこれで十分だ。

アノミツは暗黒魔術師とその眷属が自分に気づく前に飛び去った。

闇に恐怖する魔術師を見て他の暗黒魔術師が恐怖におびえている。彼らは眷属に裏切られたとでもいうのか?

他の悪魔に捕食された恐怖さえも食われている魔術師からは何も手がかりはつかめない。

その頃アノマツは濃厚な接吻でジーナと子供に闇の力を奪わせていた。

奪われる喜びがアノマツをまた心地よくさせる。奪い取った達成感、奪われることの充実感。双方が自分を高揚させ、さらなる捕食へと向かわせる。

そしてジーナとその息子は闇の力をたっぷりと堪能して喜んでいる。彼らの思いが頭を駆け巡る。

お互いに満ち足りる濃厚な接吻にジーナとアノマツが没頭している間、暗黒魔術師たちは新たな脅威に震え上がっていた。

「この役立たずは眷属の餌にしてしまえ!」タジマール直下の魔術師が命じる。

闇を奪われた魔術師は自分の眷属と同じ檻に閉じ込められ、唯一残された理性を捕食され尽くした。本能だけを残された弱い肉体は変異に耐えられず意味を成さない肉の塊となった。

「さあ、続きは明日の晩に……」アノマツが唇を濡らす唾液を舌で舐め取りながら言った。

「あなたの口から伝わる力が好きなの……あれは何?お腹の中の子供もあれが好きなのよ……」ジーナが疑問をぶつけてきた。

「ああ、あれは普通の人間が嫌う闇の力だ。俺はあの力を生まれつき好んでいる。そして俺の息子もだ。君までそれを好むとは予想外だったが……」アノマツが口移しに奪わせた力の正体を暴露する。

「闇の力?危険じゃないの?!」ジーナが驚いて尋ねる。

「恐怖や狂気、苦痛は皆が抱え込めば危険だ。それらが闇の力だ。だが、それを好んで吸収できる者にとってこれは極上のご馳走だ。俺の息子は生まれながらその力を好んで吸収している。そして君もそうなんだ」アノマツがジーナの髪の毛を撫でながら優しく語っている。

ジーナの赤毛がいつの間にか漆黒に変じている。緑の瞳も情熱的な黒い瞳に変わっている。その漆黒の髪と情熱的な黒い瞳はアノマツのそれと同様だ。おそらく二人の間の息子も同じ髪と同じ瞳を引き継ぐだろう。

「3人で闇の力を味わおう。世界を溢れているあまりにも簡単に手にはいるご馳走だ。喰えるものが食わなければ喰えない者すべてに害が及ぶ」アノマツが優しく語りかける。

「なぜ自分を束縛していた力を食べ始めたのかしら?」ジーナが首をかしげている。

「無くなってしまえばいいと願った時から君はそれを食べて味わうことを望んだんだ」アノマツが恐ろしいことを口にした。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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