Downfall The Empire of Tahjimar

なんでパンダカップにチーム派遣しなかったの?(お呼ばれしていたら横浜FC鶴見ユースあたり喜んで行ってたぞ!)(ベトナムからは賞金かっさらってお呼ばれされなくなりました)

第21話 暗黒の王子と悪魔を取り込んだ少年との出会い

アノマツが上の階にいる暗黒魔術師を捕食し終わり立ち去ろうとした時巨大な闇の力を感じ取った。

それはものすごく美味であり力強い。手に入れてみる価値はありそうだ。

人間の姿になりすまし、階下へと降りたアノマツが見たものは強烈な闇の力を持て余し困惑する少年の姿だった。

漆黒の髪と漆黒の情熱的な瞳がどことなくアノマツと似ているが闇は遥かに少年のほうが強い。

この少年が人間ではないことは察しが付く。人間がこれほどの闇を帯びることは不可能だ。

「貴様……何しに来た」生贄の中でその理性を食い荒らしているレネゲードが生贄の身体を使ってアノマツを罵る。

「何しに来たって……あんな巨大な闇の力を放置して図々しく人間の理性を喰ってられるな……」アノマツは悪魔語で冷静に答えた。

「暗黒の主神の下僕の分際で偉そうな口を聞くな……」憑依した人間の肉体の表情を醜く変えてレネゲードがアノマツを脅した。

「あの少年は持ち帰る」アノマツがレネゲードたちに告げた。

「それは許さぬ」レネゲードが憑依した生贄の口を借りてアノマツを制する。

「その肉体を捨てて何ができる?肉体を持てない分際でできないことを口にするな……」アノマツが嘲笑しながら告げた。

「至極正論だ。だが後日この屈辱の借りは返す」レネゲードが強がっているがアノマツの嘲笑は続いている。

「いいか、これだけは覚えておけ。力が全ての世界では本人の実力よりバックの強さがモノを言う」アノマツは笑いながら少年の檻に歩み寄った。

正論を叩きつけられたレネゲードたちは悔しさのあまり捕食に没頭した。

「おい、少年、自分に怯えているのか?」アノマツが降りの中で震えている少年に声をかけた。

「あ、悪魔に取り憑かれたと思ったら自分に入り込んで出てこない……僕、どうなるんですか?」少年が怯えた目でアノマツを見つめている。

「あの悪魔はお前を食うために入り込んでお前に食われた。もう、お前の中の一部分に過ぎない……」アノマツが冷たく言い放つ。

「じゃあやはり僕はもう人間じゃない……そうですよね?」少年が聞きたくない答えを求めてきているのが伝わってくる。

「そのとおりだ。お前は無意識に悪魔を食い、その力を手にしてしまった。すでに心も身体も人間ではない。俺と同族だ……」アノマツが笑っているが少年は絶望の表情を浮かべている。

「試しにその鉄格子を広げてみろ。面白いほどに曲がるはずだ……」アノマツが少年に試すよう要求する。

少年が鉄格子を両手で握りしめ精一杯隙間を広げようと力を込める。

「だ、ダメです……」少年が血豆だらけの手を離した。

「最初からうまくいくわけではない。もう一度やってみろ」アノマツが冷たい表情で命じる。

少年が胸筋と腕の筋肉を震わせながら鉄格子を開いていく。鉄の棒がぐにゃりと曲がり少年が脱出できるほどの隙間を作った。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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