INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.10
天然無能絶賛暴走中……
途中でカンパニーから連絡が来る。まずはリバーサイド・エッジのトラウマセンターにカンパニーのドクターと人事担当のケニーズが向かっているとの話である・
「あそこのトラウマセンターなら救急関係者や同伴家族の待機室で仮眠が取れる。院内には職員用のコンビニもあるから一晩過ごせる環境だ」ワイズが変に構造に詳しい。
「ヘルプで何度か行っているから知り合いもいる。だが心配なのがこれでフロントライン・コープスの担当医と顔を合わせなければならない事だ。正直頭が痛い」ワイズが所見をトラウマセンターにメールで送った後ため息混じりに言った。
「武器の預かり場所はあるんだな?」バトラーがワイズに尋ねる。
「預かり場所はあるのだが、預けなければ入れない。なにせフロントライン・コープスの施設だからな」ワイズが更にため息をつく。16人の収容を飲んだあたりフロントライン・コープスも多少は利益を見込んでいる。
「今回ブラック&イエローはうちとフロントライン・コープスにいくら支払えるんだ?」バトラーが心配になっている。
「うちは弾薬の消費だけ。フロントライン・コープスは医薬品と治療代を負担する。まあ、うちよりフロントライン・コープスの取り分が多いと考えて16人の収容を飲んだと考えるな」ハミットが冷酷な計算をする。
「まあ、シナーが予想外にチーム1にフィットしたのが成果としては大きいからよしとする」ワイズが疲れを見せている。
「それよりこのBD2枚が闇に流れるのが人質開放の条件らしい。恐らく犯罪組織には相当な闇資金が入る代物だ。これをハザードから預かった。1人で見る気はしないけど……」ハミットがディスクを誰かに渡したい様子だ。
「内容が推測できるだけに……下手なホラーより背筋が寒くなりそうだ」バトラーの顔から血の気が引く。自分も大学時代に下級生が犯罪組織に寮での痴態を闇に流してトラブルを起こしたことがトラウマになっている。
「俺は見てみたいが?」ワイズが意外な発言をする。皆がワイズの顔を見て凍っている。
「医学的なサンプル画像としての話だ。そうやって見ると意外と冷静に見られるものだ。特にどの麻薬をどれほど投与してこの画像を撮影したか?そっちの方に興味が向いていると情欲なんて発しない」ワイズがあっさり言い放つ。さもほかが全員痴態の方に興味を示しているようで逆に示しがつかないで困惑する。
「救命士のヘルプに入った時に一番困る患者はそういう行為でトラブルを起こすケースだ。これは麻酔医や神経科医にも非常に辛い仕事だし、搬送したこちら側が先方にいくら食事をおごれるかということを考える。自分たちの財布が傷まないことを考えれば黒焦げ死体の回収のほうが遥かにマシな仕事だな」ワイズが救命搬送の裏話を語る。
「よくあるのが行為の最中にはずれなくなるっていう話。高級ホテルのエレベーターのストレッチャーにそのまま載せて救急車まで運ぶだけでも大恥かくのは搬送しているこちら側。搬送中も車が揺れると悲鳴が上がるはの大騒ぎ。搬送先の病院でも薬が効くまでは修羅場が続く」ワイズの話を聞いているうちに自分たちがどれほどトラウマセンターで吊るし上げられるかの恐怖が走る。
「後は画像解析用のコピーをトーマスに依頼する。トーマスならガードキャンセルなんて楽勝の仕事だろうからな。原盤は州警察本部の薬事課に引き渡す。ディスクのロットで犯行組織まで特定できれば上出来の仕事だ」ワイズが極めて冷静にこの類の犯罪に対処する。
人の意外な才能を見た気がして仲間たちのバツが悪い。
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