INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.14

天然無能は相変わらず猛烈な勢力を保っています……

「ハザードの方だったら心配はない。先方のカンパニーに休業補償を取らせて自由に遊ばせておけばすぐに治る」ワイズに話をする前に解答が来た。

「救急の現場にヘルプに入ると何も出来なかった隊員ほど精神的には辛い。逆にある程度仕事をした隊員はそれほど精神的に堪えていない。だから一般隊員以上の立場にある技能職である俺はいつも聞き役の方に回っている」ワイズがサブビジネスでの話題をする。

「一通り告ってんだろ?後は傷口が塞がるまでやりたいことをやらせておけ」ワイズが先を読んだ解答をする。

「それはある意味正解だな。俺も新卒でスキルなしだったから最初は訓練についていけなくて精神的には辛かった。そういう時には何が原因で自分が躓いているか聞き役に誰かが回ってくれればそれで切り抜けられるものだ」シャイニも同様の答えを出す。

「で、悩めるユータス君の答えは出た?」シャイニが皮肉って尋ねてきた。

「まあ……わかる気が……」自分自身が冷静さを欠いていたことをユータスは思い知らされた気がしている。

「問題は責められた方ではなく、責めた側の14人をどうするかなんだ……」ワイズが個々のテーブルにシャイニを呼び出していた理由を語った。

「あの連中はまだあの時の快感から抜け出せないでいる……薬が切れた今でもだ……」ワイズが担当医から告げられた内容をそのまま伝えた。

「このままの状態が続くと社会復帰はまず不可能。恐らくそのまま犯罪者まで堕ちていく」シャイニまでもがそう語る。

「画像を見た限りハザード側のダメージは推定できる。だが一度異常快楽の美酒に酔うということはそれを繰り返そうとする欲望を引き起こすと州警察の心療内科医が説明してくれた」ワイズが重い口を開く。

「……今あの14人はどうしているんです?」ユータスがコーヒーを飲んで頭をクリアにしてから尋ねてきた。

「州警察の専門家チームだって徹夜で話し合っていた。その結果究極の荒療治をすることに決定した」ワイズが14人のその後を語る。

「州警察の中でも1番大きい留置所、しかも凶悪犯収容専門の1部屋に14人をいま閉じ込めている。今は2日目ってところ」シャイニが途中経過を報告する。

「予想通りに共食いを始めている。弱いものが責められ続けている状況だ」シャイニが留置所の1部屋の地獄を語る。

「精神的に責められる側が危険だと判断したらそいつだけを救出して治療過程に移行させる。この繰り返しで最後の1人まで絞り込む。やっている方も辛い仕事だ」ワイズが説明する。

「怖い……」ユータスが震えている。

「一番最後に残った奴が一番救われない。それがこの方法の恐ろしさだ」ワイズが更に付け加える。

「最後に残った1人はどうする?」ユータスがそれを気にかける。

「快楽の代償の大きさを理解して泣いて喚いて檻から出してもらおうと努力すれば治療過程に移行する。その兆しがなければ再起不能だ」シャイニが厳しい見解を述べる。

「一度悪に堕ちるとそこからの復帰は極めて難しい。そこが堕落の恐ろしさだ」自他ともに厳しいシャイニが語る。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

0コメント

  • 1000 / 1000