INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.16
今日は場つなぎエピソードです。
「あの建物の仕事を請け負う実力がブラック&イエローになかったことはスタッフリストのライセンス一覧から容易に証明できるとうちの情報担当が言っていた」ワイズが新しい事実を突きつける。
「エレベーターが設置されている建物の制圧は電気設備工の有資格者が1名でもチーム1か2にいなければカンパニー規定違反だ」シャイニがその点を指摘する。
「うちのカンパニーは俺が資格持ちだからその手の仕事を受注できる。他にも私的に専門学校や通信教育で資格を取っている若いのも何人かいる。だがブラック&イエローのスタッフリストの資格欄にはそれが一切記載されていなかった」シャイニが更に付け加える。
「一般大学卒は負傷したリーコンのスピードだけ、士官学校卒はハザードだけ。後はカンパニー付属予科の出身だ。軍事経済学の専門単位持ちはハザード1人だけだから敵の備蓄武器から戦力を推定するのはチーム1だけが可能だった」ワイズが指摘する。
「そういうワイズの資格っていくつあるんだ?一度聞いてみたかったのだが……」シャオリが興味深げに聞く。
「外国語検定3つと総合社会科学学位、国家看護師資格、後は救急救命士の州消防資格かな。単位だったら危機管理学、経済学、法学、社会学、看護実技、救急救護実技は専門単位だ。一般教養単位は卒業証明書を見ないと思い出せない」ワイズが自慢でなく本音で取得資格を語る。
「飛び級制度があればもっと早く大学院まで卒業してなかったか?」ユートスが首を傾げる。
「それは言われるけど大学院に行く目的がない」ワイズがあっさり切って捨てる。
「まあ、将来仕事に困ったら医科大学に学士で入って大学院課程を終えれば食うに困らないだろうな……まあ、誘いも多いが変な診療科ばかりなのが問題だ」ワイズが羨ましい悩みを打ち明ける。
「どんな診療科からスカウトされてるの?」シャオリが変な目で見つめている。
「麻酔科と神経科、心療内科からはオファーが来ている。後は形成外科と循環器科からなら推薦状をもらえる見込みがある。最後は学士編入試験に合格できればの問題だが、大学院卒業までの学費を払えるめどが立たない」ワイズが率直に話す。
「そこだよな……」皆がため息をつく。
「あと専門学校に通わないで取った資格があったのを忘れてた。カジノのディーラー資格なら一発で合格した。一度カジノで賭けてみない?」ワイズが意外な資格を口にする。
「やめとけ、こいつに勝てる相手はいない。生まれつき運がいいツジィーだけが勝っただけ。後は全額持っていかれた。パークのエースだけあって勝負強い」イニエガが意外な発言をする。
イニエガとフロントライン・コープスの面々が成功報酬で手にした大金を持ってカジノに行ったらワイズがディーラーのヘルプに入っていた。
ヘルプのディーラーだからと面々は惜しげなく賭けたら1時間で全額を持っていかれた。
「後日カジノ筋から聞いた話では一番集中力を奪って巻き上げるエースディーラーだと聞かされた。まあ、会話が巧みなのに手先が器用だから確かに集中力は削がれるな」なんとシャオリまでもが高速道路料金を払えず一般道で帰宅したそうだ。
「しかしマーケット・ガーデン州警察に捜査本部を作る失態だ。ブラック&イエローは2等級降格で済む問題じゃなさそうだ……」この業界での経験の長いイニエガが案じる。
「しかも麻薬を打たれたとは言え同僚へのあの痴態だ。動画が闇に流出したら15人の未来はお先真っ暗だ」ユートスが心配する。
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