INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.25

山から投げ落とされた上に逃走中です by天然無能


「固定標的の割には難しい設定ですね」ハミットが手渡されたM10リボルバーのグリップ感を確認する。スタンダードモデルだけにあまり安定性はない。

双方ともに跳弾からの保護のため、ライトアーマーとゴーグルを着用している。

「こちらから先に撃つ。よろしいか?」特殊部隊員が話しかける。むこうはリアサイトやグリップをカスタムしている上に相当慣れている様子である。

特殊部隊員の1発目はかろうじてのヒットだった。

ハミットは1発目を外す。グリップの不安定とリアとフロントに若干のズレがあるようだ。

特殊部隊員が2発目を外す。バツの悪そうな表情に若干の困惑が見られる。

ハミットは2発目をかろうじてヒットさせる。グリップの不安定はどうにもしようがないがサイトの誤差の修正を2発目でリカバーできたのは大きい。

特殊部隊員が3発目を外す。ハミットが次にヒットすれば4発目の射撃に精神的な影響が出るはずだ。

ハミットも3発目を標的のやや左隅に外してしまう。

特殊部隊員が4発目を外す。標的の難易度はカンパニー資格より高めに設定されている。

ハミットの4発目が的の中央部をヒットする。グリップの不安定さえなければブルズ・アイしていたところである。5発目を当てれば3発命中で面目だけは保たれる。

特殊部隊員が5発目をヒットする。これで外していれば負けていただけに安堵の表情を見せている。

ハミットの5発目がブルズ・アイをかすめる中央部にヒットする。3発命中で面目を保った上に特殊部隊員の6発目が外れたらその時点で勝利が決定する。

特殊部隊員が6発目をブルズ・アイする。ハミットの6発目が外れれば引き分けで終われる。

ハミットの6発目もブルズ・アイする。これでハミットの4-3での勝利が決まった。

「見事な射撃修正能力だ。スタンダードモデルの試射無しでカンパニー資格を軽く超える成績を出されたら何も反論のしようがない」特殊部隊員が負けを認める。

「日頃の練習量ではカンパニーのほうが恵まれているだけです」ハミットが謙虚に受け応える。

「時としてカンパニーの人間は負傷者の銃を借りて戦う局面に立たされる。そのために同じチームのメンバーの銃を未調整で射撃する訓練もつんでます」カンパニーでの訓練内容を語る。

「なるほど……参考にさせてもらう」特殊部隊員は感慨深げに話に聞き入っている。

その頃心のわだかまりが解消したハザードは素直に事件を整理して聴取に応じている。

まず現場の建物でブラック&イエローのチーム2との連絡が取れなくなる。次にチーム1が分断され、リーコンのスピードが撃たれて行動不能になる。

その後背後から殴打され、ハザード自身も捕虜にされ、その建物の一番豪奢な部屋であのビデオが撮影された。その後公園跡地に皆の身柄が移された。身柄が移される間の記憶はないと明確に証言した。

「実はフルメタル・セキュリティーの情報分析スタッフがあのBDを4Kまで復元してくれた。まず君が責められ続けていたソファーの生地、背景の家具と床のマテリアル、建物の形状等背後に写り込んだ画像は全て確認させていただいた。本来は被害者の了承を必要としたのだが……」捜査官が詫び半分に暴露した。

「採血結果もそちらに提出済みですよね?」ハザードが付け加えた。

「そのとおりだ」捜査官が答えた。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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