INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.28

あれ実話……(泣)by天然無能

「フルメタル・セキュリティーのチーム1の隊長ワイズの仕事に抜け目はない。流石だ……これは州検察の合意を必要とする。担当検事の到着まで一旦こちらも聴取内容をまとめたい。ここで一旦休憩にする。外出は不可だからこのリストから夕食を選択してくれ」担当官が感心している。

「証言の価値によって夕食経費も差額が生じると聞いています。上限メニューの提示を求めろとワイズさんから言い聞かされています」シナーが更にツッコミを入れる。

「上限メニューは60元(=旧日本円で900円)だ。ここのメニュー全てが該当する」担当官が対応する。

「じゃあ、バーガーのセットでお願いします。ドリンクはアイス・コーヒーでブラックを指定します」シナーが注文を出す。

(普通はカツ丼かカツカレーなのだが……)担当官の推しメニューが見事に空を切った瞬間だ。

「まだ容疑者ではない。監視付きでも最上階のラウンジでの食事が認められる」担当官が説明する。

背後にあの法学専門3科目がA成績のワイズがいると考えれば最大限の権利を提示しなければ後日のトラブルの火種になる。ワイズは下手な弁護士よりも欠点をえぐり出すことについては長けていて、カンパニーとの交渉でも大いに痛い目に会わされている。

法科大学院に進学しないでくれて良かったと思うときさえある。ただし弁護士ではなく検事になってくれればこれほど強力なバックアップはない。つくづく惜しい人材だ。

「港の灯りを見るのは初めてだ……この街に生まれたというのに……」シナーがラウンジからの光景を見つめながらバーガーを頬張る。

「結局いい年して初めてコンプトン区以外のこの街の区に行くことが出来た……」シナーが過去を振り返る。

その頃ラウンジの真逆にはハザードとハミットがチキンカレーを頬張っている。最初は天津丼を注文しようとしたハザードだが「護衛と合わせて60元」と提示されてリストを見たら30元以下メニューはチキンカレーか並牛丼セットしか該当しなかった。

結局チキンカレーにしたが明日の夕食は並牛丼である。正直辛い。ホテルはすでにチェックアウトして州警察管理下のビジネスホテルの一番安い部屋に移っている。

一晩ハミットとたっぷり楽しんでおいて良かったと思うがその横にまだハミットがいるとやはりもう一晩……という感情を否定できない。

ハミットもハザードの目つきがまだ満ち足りていないぐらい察しはつく。どう見ても自分を求めている目線だ。その目線に気づいているだけにこちらもどこまで我慢が続くか先が読めない。

禁じられた愛という感情に苛まれつつハザードとシナーの取り調べは続く。

「あの2人、出来てるな……」監視している性犯罪担当刑事がハミットとハザードの目線の行き来を見て気づく。こちらもプロだ。

「気の毒に……」刑事も目線を反らしたいが仕事上それが許されない。「純愛」が伝わってくるだけに見ていると心が痛い。

その頃ワイズは家にやっと戻った。妻子とは1週間以上会っていなかった。久しぶりに家庭に戻って今は緊張の糸は完全に切れている。

シャイニも同様だ。正直このまま長期休暇が欲しい。だがせいぜい3日休暇がもらえれば上出来だ。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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