INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.29
北朝霞、北九州……あれ、北朝鮮が出てこない……(by天然無能@Google日本語入力が変)
その頃バトラーの縁でこのカンパニーに転職してきたばかりで現在はチーム2のライフルマンを務めているポッターが悩みを打ち明ける。
ヘビーアーマーを捨てて連射可能なARー15にすべきか、それとも今のまま3連バーストしか出来ないM16A4を使い続けるか?その2者択一に困惑しているという。
「今のポッターの技量でヘビーアーマーを捨てるのはやめておけ」バトラーがあっさり断言する。
「お前は典型的なパワー系だ。それは自覚したほうがいい。俺みたいに逃げ切る自信があればライトアーマー+ハイパワーの組み合わせを勧めるが、正直今のポッターが敵に追われて逃げ切れると思えない。それにチーム1の構成が皆軽装だ。パワー系だったハミットがスペシャリストに転向して軽装になっているのが原因なのだが、その場を維持できるヘビーアーマー着用者が路線変更するのは困る」バトラーが更に付け加える。
「了解した。で、どうすればいい……」まだ悩みが絶えないポッターである。
「バーストの命中率に難がある。カンパニー資格レベルで済む問題ではない。それ以上の精度を要求されるのが現在のライフルマンだ。狙いを定めさせてくれる時間を与えてくれる敵はいない。俺も今は精密射撃はやっていない。実銃を撃ち続けて感覚で当てられるまで腕を磨くしかない」バトラーが忠告する。
「都会のカンパニーは厳しいな……」ポッターがため息をつく。
「まあ、皆が壁にぶち当たる。それほどロスト・エデンを敵に回すのは厳しいことだ。仕事人間としては最高の環境だが……」バトラーが本音を吐露する。
もともと血気盛んな喧嘩屋であり、あの硬派集団フューリアスに飽き足りて転職してきたバトラーにとってこれほど強敵に事欠かない職場はない。
その頃シナーの司法取引が可か不可か判定するための検事が到着した。
シナーとハザードの事情聴取も別室で再開された。夜中であったが捜査当局が早期解決と再犯防止を優先したため徹夜での事情聴取になった。
「18歳以降の犯行だが、全てカンパニーとファミリーが引き受けた仕事として遂行したと宣言するか?宣言に偽りがあれば全ての司法取引が無効化されるその覚悟ができているなら宣言しろ」州検察の検事が司法取引の条件を説明する。
「自発的犯行は無かったことを宣言して司法取引を要請します」シナーが明言する。
「8年前の16人誘拐殺人を主とする複合犯罪事案への直接関与の有無について質問したい」検事の立ち会いの下組織犯罪課の主任捜査官が尋問する。
「16人の誘拐にも殺害にも関与はしていませんが彼らの客に投与された『ファイヤーフライ』と呼ばれる催淫剤……一種のアッパー系複合麻薬の取引には関与したことを認めます」シナーが間接的関与を証言する。
「『ファイヤーフライ』の入手先を知っていたか?」捜査官が尋問を続ける。
「自分は引き渡し場所及び『ファイヤーフライ』を保管していた『ディストリクト』と呼ばれる団地の跡地の確保を戦闘員として担当していました」シナーが当時を告白する。
「自身の『ファイヤーフライ』の使用は?」調査官が指摘する。
「経験の浅い新入りは恐怖感を克服するためにカンパニーから購入していたのは知っています。自分みたいな古株はむしろ戦闘で過剰に高揚しないよう控えていました」シナーが当時のカンパニーの現実を語る。
「過剰に高揚しないとは?」調査官がシナーに疑いをかける。
「銃弾が飛び交う戦闘状態の恐怖の中で冷静さを欠けば判断力が大幅に落ちて死に至ることは熟練の戦闘員なら常識です」シナーがカンパニー戦闘員の実態を語る。
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