INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.47

今回はクライム・ホラーっぽい話ですby天然無能@子供は寝ろ

戦闘のプロの指導は欲求不満の若者を楽しませるに十分だった。彼らの標的は森から見える一般市民たちだ。それを彼らは実弾で撃って評価される事に喜びを感じていく。

結局7日間で温泉地の住民と湯治客は皆、銃殺された。

教授はここまでの惨事を想像していなかった。しかし若者たちはまだ殺し足りないようだ。傭兵達も平和な国の欲求不満の若者たちの残酷さに驚きと恐怖を抱いている。

「奴らをこの世から消さないとマズい」傭兵のボスが教授に助言する。

教授は思案の末ある提案を傭兵達に行なった。傭兵達が追い立てて若者たちの潰し合いを川の北岸の集落でさせ、全滅させるというのだ。

「これからリーダーを選ぶ。リーダーと言うからには他の者を容赦なく消せる資質を証明しろ」教授が若者たちを破滅へと導く。

思惑通り若者たちは互いを撃ち合ってその命を奪い合う。

だが最後の1人があまりにも強すぎた。最後の1人こそが後の「マッデス」で、当時のマッデスは15歳、まだ高校1年生だ。

そのマッデスが若者側の武器庫を制圧して今度は傭兵達を始末する。

マッデスを消そうとする傭兵達が次から次へと遺体となる。教授は集落の縁の車にこの手帳を隠し、最後を「私を殺すのは途中で親衛隊に志願すると誓った名も知らぬ15歳の少年だ」と書き綴った。

その後のマッデスは日本から姿を消す。彼はリスト外の人物であり、警察が今、その年の失踪者リストを検索中だ。

「じゃあ、発見されなかった遺体があの骨か?」ワイズの背中に寒気が走った。

「そして現在のマッデスの推定年齢は50代後半だ。戦闘員として一線でやっていくのは常人では不可能だ……で、スピードを使って人体実験か?じゃあ、マッデスの一連の犯罪はスピードに投与したゲノム変異ウイルスの開発費稼ぎかよ!」ワイズは徐々に恐怖から怒りを憶えている。自己保存のためにマッデスはどれほどの人間を犠牲にすれば気が済むのか?

「スピードの家族に電話をしても繋がらない。警察と消防への通報履歴も見つからない。ホームセキュリティーには非加入だ。最終手段として最寄りの防犯カメラをのぞき見する」シャイニにトミーズから電話が入る。

ワイズが怒りの表情を浮かべて部屋から出てきた。

「この手帳の解析を州警察に急がせてくれ……」ワイズはそう語ると頭を抱えている。

その頃、アユユは17歳の少女とアフターを過ごしていた。本来はダンスクラブに入場するには20歳以上を証明する身分証明IDが必要だ。

この少女の父親は有名な高級クラブのオーナーだ。少女の母親はそこで働いていた美人の女性だ。もっとも少女は自分の母親の顔は1枚の写真でしか見たことがないそうだ。

少女には他にも腹違いの兄弟が数人いるという。父親に頼めばなんでも手に入るから身分証明IDと遊ぶ資金をせびっているのだと悪気もなく言っている。

「ウチの父親が大枚はたいて裏ディスクを買ったんでコピーしてきちゃったの。アユユ、一緒に見ようよ」高級ホテルの一室で男相手に子供の言う言葉ではないのだが、この少女の孤独を知っているが故にどうしてもそれを許してしまう甘さがまだ捨てられない。

「ウチの父親ってさあ、変態物には目がなくって……こんな恥ずかしいものに大金つぎ込んだわけぇ」少女がアユユの前髪をいじりながら話す。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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