INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.49

今回は「ホオジロザメの受難」ですby天然無能@Blender特訓中

「ユータス先輩、ちょっと仕事上気になる物に出くわしてんですけど……」負傷明けでまだ実戦復帰が出来ないため、黒服に専念していたアユユがユータスに件の写真を見せた。

「これは……」ユータスの目がアユユのスマホに釘付けになる。

「例の流出ビデオのケースの裏側っす。これが版元らしいんっすけど……」アユユが写真に写った住所を説明する。

「グランドスラム州グランドスラム特別市サウスパークって……どうやってこれを手に入れた?」ユータスがアユユに尋ねる。

「アフターの仕事で……」アユユがユータスに説明する。

「予科から浮名を鳴らしていた遊び人の本領発揮と言うことか……」ユータスが軽蔑の眼差しでアユユを見る。

「予科と1~3年次は黒歴史なので忘れてほしいんっすけど……」アユユが頭を掻いている。

「まあ、酒と麻薬、窃盗に手を出さかなったことは評価する。ただ女が地元高校のワルに絡まれてるとワルを殴り倒して女をものにしていたことは忘れないでおく……」ユータスがアユユが予科学校時代に喧嘩と女のトラブルが絶えなかったことを暴露する。

「で、士官学校の1~3年次がどうしたって?」ユータスの目が据わっている。

「……同じことを続けていました」アユユが無言で頭を下げている。

実はユータスもまた相当に名の通った喧嘩屋の一人である。しかもユータスの敵は野生動物一般だ。5歳で近所の野良犬の脇腹に蹴りを食らわせて通園の列を守ったあたりからユータス対野生動物の戦いの歴史が始まった。

15歳の時である。近所の動物園の発情したオスカンガルーが脱走し市民を無差別に襲うという事件が発生する。

機動隊まで投入したこの騒動だが動物園をこよなく愛していたユータスはカンガルーと戦う手段を知っていた。

「カンガルーの弱点は重心が高いところだ……」カンガルーと対峙したユータスはとっさに足を狙って直進すると両足を捉えてそのままそれをすくい上げて地面に組み伏せた。

親は動物園関係者に頭を下げていたし警察は無謀なことをしたと激怒した。

そこで悩んだ両親は子供を人間の喧嘩屋の集まりである士官学校に入学させるしかないと決意する。

ユータスもまた人間を倒せなければ知床のヒグマを武器なしで倒すという宿願を叶えられないということで士官学校進学を決意する。

ユータスは筆記も体力測定も問題なくクリアーして一番の喧嘩屋が集まる士官学校に進学する。

だが、同期で一番気性が荒かったのが自分である。この失望感の中、近所の砂浜を走っていたらサメが泳いでいる。

「こいつを仕留めるか、仕留められるか……それで自分の人生に決着をつける!」ユータスは鋭利な石を一つ持って海に飛びこんだ。

「ホオジロサメ弱すぎる……強敵を待とう」数十秒後、血に染まった海からユータスが帰ってきた。水面には眉間を割られて気絶したホオジロザメが浮いていた。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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