INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.58

ブチ切れ大食漢リーダーの正体が明らかに……by天然無能@ここからシナリオが脱線します(ちなみに本日作成したINSURGENCYのworkshopのブツはこちらです)

「もともとカンパニー戦闘員は必要カロリーが高めですけどちょっとワイズさん食べ過ぎじゃないですか?」流石にその異常食欲を5時間も見ているとハミットも心配になってきた。

「そういう体質だからしょうがない。食べなきゃ体重がすぐに落ちるどころか命に関わってくる」スナック菓子を食べながら深刻な話だ。

「命に関わるって?」ハミットが尋ねる。

「俺の誕生日って自分の命日でもある……厳密に言えば死亡時刻より誕生時刻が遅いんだ」ワイズが重い口を開く。

「えっ!?」ハミットが驚きの声を上げる。

「生まれ上早産という事になっているけど実際は流産で死亡証明書まで出てたんだ。でも最後の別れだと母親が抱き上げたら俺の指が動いたって……その間2時間死体扱いされてたらしい……」ワイズがこの点だけは語調が暗い。

「それでも毎日死亡宣告という状況は物心がついた以降も続いていた。遺伝子上テロメアの長さがその日に死にますって長さしかない。そういうわけで定期的に遺伝子検査は受けていた。今もそれは続けてる」ワイズの語調がもとに戻る。

「流石に頭が良くなってくるとその診断の意味がわかってくる。検査結果のたびに自暴自棄に陥った」ワイズが自分の少年期を告白する。

「これは今、知っているのはモーゼル教官だけだ」ワイズが更に付け加える。

「その日限りの命と引き換えに俺の細胞の活動量と新陳代謝は明らかに並外れていた。でも万能でいるのは虚しかった。だから裏では相当悪いことに手を染めた。地元の不良が脅して奪った金を更に奪い、それで空腹を満たすという悪循環に陥ったのは中学2年頃のことだった」ワイズが意外な過去を口にする。

「名門進学校の制服の効果は抜群だったな。不良の多い街角の防犯カメラのない位置に追い込んで奴らを潰してその上前をはねても俺がそんなワルだって気づかなかった」ワイズが笑って済ませているがこれはあまりに残酷な話だ。

「大学は最高に稼げる空間だ。違法サークルを法律知識で脅せば奴らは有り金全部を俺に渡した。無論半分は向こうの無知に漬け込んだ嘘だけどな……授業に出てノートを取ったり、自分用以外に論文をいくつも書く。それの取引をきっかけにして向こうと接触したあと、いきなり裏切って食費を要求していたんだから相当なクズだな」ワイズがなぜ大学を2回卒業できる単位もちかの理由がわかる。

「だから3年次過ぎたあたりからヤバイと思った。自分がまだ生きているっていうことに……」ワイズが今度は生きていることの恐怖を語る。

「今まで自分が生きながらえるために餌食にした連中の復讐が怖くて身の安全を図ってカンパニーに就職先を絞った。そんな俺を拾ったのがモーゼル教官だ」ワイズがモーゼルとの接点を語る。

「内定後に今度は俺がモーゼル教官から手のひらを返された」ワイズが意外な事実を告げる。そこから彼が様々な資格を取ってサブビジネスを多数こなす理由が語られる。

「俺はモーゼル教官から彼の過去を聞かされた。彼も優等生の顔をしながら地元では最強の喧嘩屋という2枚看板の持ち主だ。ただ喧嘩の理由はその時守りたいものがあったから相手を潰しただけだったと釘を刺されたな」ワイズが頭を掻きながらそのことを語る。

「僕は自分しか守ろうとしなかった……」ハミットが今度は絶句する。

「お前はハザードを守ってる。だからある程度大目に見ているが今回の騒ぎはやりすぎだ」ワイズがニコリと笑っている。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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