INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.67

人生万事塞翁の馬券by天然無能@国破れてもサンガあり

「ユータス、今からこっちに来てくれ。お前の動物ファイルが見たいんで……」ワイズがどうやらユータスに電話をしたようだ。

「特徴を教えてくれたらこっちで調べて添付ファイルで送るけど?」ユータスから返事が来た。

「わかった。外見はクラゲみたいな触肢の多数ある生物で高温多湿を好むらしい。食生は人間の体液でそれを搾取するために全身に刺激を与えてくる。特に口への攻撃が激しい。寄生性はないらしい」ワイズが説明する。

「すぐわかっちゃったから今からファイルを送っておく。それの犠牲者で記憶が残っていたら世界初の奇跡と言うほど危険な生き物だけど……」ユータスが驚いている。

「まあ、データを送ってくれ」ワイズが電話を切る。

(相当ヤバイ生き物だがなんで死んだか意味不明……まさかハザードの体内の弛緩剤が死因か?)ワイズが恐ろしい結論に達する。

数分でワイズの携帯に着信があった。ワイズがしばらく端末を見つめているが表情がかなり深刻だ。

「ワイズ、どうしたんです?」ハミットが表情からかなり危険な事態が起きたことを察している。

「ハザードを襲った生き物は『サンドストーム』と呼ばれる危険生物だ。原産地は中東の砂漠地帯。犠牲者の口に挿入した触手から身体の血行を促すホルモンをを送り込み、着衣を脱がせた瞬間に全身を犯し続けて体液を満足するまで吸い続ける生き物だ」ワイズがアニマルフェテイッシュのユータスから仕入れたファイルを読み上げる。

「それで不愉快だったわけだが、裸の人間に服を脱がさせるって馬鹿だな……」ハザードが呆れているが、そこが問題なのではない。

「犠牲者の致死率は80%以上。今まで襲われて記憶が残ったものすらいないとされている。これで米軍の野戦キャンプがいくつも全滅させられた」ワイズが「サンドストーム」の恐ろしさを語る。

「あれで死んだらヘタレだな。そういう奴はクーラーから出たら確実に熱中症で倒れる系だ」ハザードが切って捨てる。

「熱中症の既往症は?」ワイズが尋ねる。

「倒れたあとで気がついたら病院にいたことが何度もある。どうも平熱が年齢の割には高いらしいが25℃以下の部屋で休めばすぐに立ち直るしその後ミネラルウォーター数本を飲めば問題はない」ハザードが既往症があることを認めた。

「平熱が高いって37℃越えてる?」ワイズがおそるおそる尋ねる。

「いや、そこまでひどくないが36.8℃の場合がほとんどかな……」ハザードが話す。

「……幼児かよ」ワイズがぼそっとつぶやいた。

「なに?!」ハザードがその言葉を聞き漏らさなかった。

「いや、骨折とかでもショックや破傷風とか起こしてないか確認のため体温は測定しておく。無論毎回の搬送で測定するから年齢別の標準値は経験次第で察しが付く。平熱がそこまで高いのは幼児の特徴だ」ワイズに理詰めで説明されるとハザードが相当ヘコんでいる。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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