INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.85
時代の斜め上を行き過ぎるクソラノベはこちらですby天然無能@流石にスプレー缶爆弾という「ホネオリ作戦」は思いつかなかった……
連日3時間は快楽に溺れているスピードとソニックであるが、スピードはもともと女性に告白できないほど内気であり、ソニックは一目惚れしたハザードに温泉の源泉に投げ込まれて以降、自己嫌悪に陥っていた。
ソニックの自己嫌悪期間はハザードに見切りをつけるまで2年に渡っていた。その間は禁欲というより意欲を欠如するほどの落ち込みぶりだったため、ここで一気に欲望が暴発した。
なお、ハザードに見切りをつけたきっかけは彼氏と2人で南青山をデートして揃いのアンクレットを買っていちゃついている姿を見たときだ。
「ま、まさか先に彼女……いや、どう見ても彼氏がいたなんて……」その時の精神的ショックは隠しきれない。最後のプレゼントがあまりにも残酷でしばらく街路樹の下で動けなくなった程だ。
表参道駅からどうやって自分が帰宅したのかさえ記憶のかけらさえない。
それが1年前のクリスマスイブのことだった。しかも来年こそは同じ職場でぜひとも手に入れようとしていたハザードの他者との熱愛を見せられたのだから生まれて以来最悪のクリスマスイブである。
ただし、新職場ではハザードよりも遥かにマシな獲物が即見つかった。そう、極めて内向的ながら努力を惜しまないスピードの存在である。
「もう、ハザードなんてどうでもいい。俺はスピード一択に決めた!」その日からソニックはずっとスピードを落とす機会を狙っていた。
そのスピードが眼の前で喜んで乱れているのだ。この姿を見られるはおそらく自分ひとりだろう。
この素晴らしき独占状態に更にソニックの肉欲が掻き立てられる。
(絶対に逃げ延びて完全にものにしてやる!)ソニックの本性である独占欲がここで完全に牙を向き始めた。
逆にスピードもまた人生の転換期を迎えていた。自分を落とす勇気のある王子様にしかソニックが見えないのだ。
合コンや飲み会にすら行く勇気のない男のために命を賭けた王子様、それがソニックに思えてくるとこのままソニックに抱きしめられてその城へと連れ去ってもらいたい。
しかも勇敢な男に抱かれるという意外な喜びにさえ覚醒した。王子のリードで悶え乱れ、自分を操られる感覚と快楽にすっかりスピードは嵌っていた。
二人がそれぞれの部屋に戻って短い眠りを取ったあと、ピークでの訓練が始まった。目を合わせながらお互いの距離を保ちつつ、徐々にA地点へと近づいている。Cへの増援要請が殺到するが、同時にBポイントも落としにかかっている。
つまりDポイントからAポイントまでの地域には敵も友軍もいない可能性が90%以上だと推測された。Aポイントの手前で誤射されないかどうかザスパークの部隊の様子を探ってみる。
「ビンゴ、この先に誰もいない。応援要請も裏をついてザスパーク側がDを確保するまでない」ソニックが状況を說明する。
「俺も同意見だ。BとCにザスパーク側が振り回されすぎている。俺が指揮官ならがら空きのD。うまく立ち回ればEを落として決着をつける」スピードの顔に笑みが浮かぶ。ブラック・アンド・イエローのチーム2隊長であるからこそ両者の指揮系統の無能さに呆れて笑いさえ浮かぶのだ。
「さあ、ザスパーク側を驚かせるついでに戦術指南をしてやろう」ソニックとスピードは歩哨に出会うことなく、いきなりザスパーク側の待機場所へと現れた。
ザスパーク側が一瞬驚いたがすぐにソニックが覆面を取った。ザスパーク側にはソニックの顔を覚えているものが多い。その男が逆側からピークを突破したのだ。
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