INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.87
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突如ザスパーク側のスタッフが何かをモーゼルに耳打ちする。
「さすがは使い捨てとはいえGRMの幹部、すでに先手を打たれたようだ……」モーゼルが腕を組み思案する。
「我々にピーク掃討司令がカンパニー機構側から提示された。無論、逆らえばカンパニー機構から排除するとの脅し付きだ」ザスパークの指導教官が頭を抱えている。
ザスパーク社は予算難で現在活動可能な戦力は2部隊。しかも熟練戦闘員をやむなく契約できなかった直後である。
ザスパークの現戦力でピークを落とすのは不可能だというのはこの業界を生業としている人物なら用意に予想がつく。
「経験の浅い兵2部隊でピークを落とすのはまず無理だという前提で話を進めよう。まず俺が目をつけているスペシャリストとリーコン、ライフルマンを強引に集めることにする。そして手痛い反撃を行った後でマッデスの次の手を披露していただこうか?」モーゼルが含み笑いを浮かべている。
「相手の指揮官を上回るチーム1とチーム2の隊長、そして個人で駆け引きできるライフルマン2名。この組み合わせと若い2部隊での勝算は半々というところだ」モーゼルが自信を見せて述べている。
「ずいぶんと大胆な予測だな」ザスパークのインストラクターが驚いている。
「指揮官には『騙し』の技術と『戦闘技術』、『逃げる勇気』の3つが重要だ。局面で負ける事がわかっていたら潔く友軍と合流し、相手の油断をついて陣地を一時的に制圧し、また局面次第で陣地を維持するか逃げるかを決断する。これを繰り返せばあっさり決着がつく。無論、取った陣地を捨てる決断を身につけるには相当な苦労と挫折を繰り返すしかないのだが……」インストラクターとしてのモーゼルの指揮官育成技術はかなりの定評を得ているだけに説得力がありすぎる。
「しかしそれほど優秀な戦闘員を雇えるほどの予算は当方にはない」ザスパーク側のスタッフが頭を抱える。
「ザスパーク特区の高級ホテル宿泊1周間をご褒美にすれば食いつく連中だ。なんだったら今すぐ電話するが……」モーゼルが意外な報酬を提示した。
「その1周間、その戦闘員とおまけが遊んでいるだけでザスパークに次の仕事の依頼は絶対来ないだろう。ただし全員が大飯食らいであり、おまけもまた大飯食らいを連れてくるのが問題なのだが……」モーゼルが唯一の問題点を指摘する。
「格安食べ放題はどうでしょう?あれを食べ尽くした団体客は未だにいませんし食材の回転も早くなりそうだ……」ザスパーク側が意外と乗り気だ。
「まあ、連中は質より量だ。ただ量的には『蝗』と呼ばれる集団の通過した後の高速道路よりはマシだ」モーゼルが皮肉交じりに語る。
実はモーゼルはこの一団に痛い目に会わされている。そう、この一団が通過した後の高速道路の食材が全て食べつくされていたのだ。コーヒー1杯さえ残されていない空腹のドライブ6時間は地獄だったため今でも思い出したくない。
モーゼルが電話をどこかにかけている。話の語調から交渉は順調なようだ。
「明日までに全員揃う。ただおまけに問題があるのだが……」モーゼルが言い出しにくそうだ。
「まさか『蝗』?!」ザスパークのスタッフの顔が引きつっている。
「いや、おまけも凄腕なのだが……」モーゼルも意外な展開に驚いている。
「コーヒーとドーナッツ、フライドポテトを大量に用意してくれ……」モーゼルが頭を抱えている。どうやらお呼びでない人々までおいでよしてしまったようだ。
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