INSURGENCY Companies of Rogues REDUX pt.94

誰かモロトフ以外のカクテルを教えて下さい……by天然無能@モロトフは飲み物ではありません(サイバーパンクっぽいのを作ってみた)

スピードが着替えているのを見たソニックが変化がないかを確認する。明らかに要所の筋肉と骨格が明らかに強化されている。逆に不要な部分は削げ落ちている。もともと色白だとは思っていたが更に色白になった気もする。

「なに見つめてるの?」スピードがソニックの目線に感づいた。明らかに感性までもが研ぎ澄まされている。

以前に若干不足していた注意力が増幅されている。その注意力の不足があの日に被弾する理由にもなったのだが……

「以前より隙がない……そんな気がするんだけど?」ソニックがはぐらかす。

「マッデスのキャンプで鍛えられたからだと思うけど?」スピードはその程度だと考えている。

確かに「ピーク」地帯の戦闘は過酷だと言われている。しかし、あっさりよそから来たカンパニーの精鋭が攻略した程度のものだ。

なんとか話をはぐらかせながらソニックはスピードをバーに連れ出した。

相変わらずハザードはピーチツリーフィズをすすっている。これとスクリュードライバーしか舌に合わないあたりのお子様ぶりは相変わらずだ。

見た限りハザードの彼氏はいないようだ。あれは性格がトゲっぽくて苦手だ。

だがそれを上回る性格の険しい人物がハザードの陰でペリエのボトルを見つめている。バーで酒を頼まない方法をわきまえている証拠だ。グラスには強そうな炭酸が氷の間で泡を吹いている。

「こっちのテーブルに来てもらおうか?入口やカウンターで話せる内容じゃない」背を向けている人物が言った。

「ワンドリンク確定か……スピードさん、何にします?」ソニックが話しかける。

「スクリュードライバーかな……」スピードもまたペリエの生飲みはできないようである。

「じゃあ俺はモスコミュールで……」何故かペリエの男以外の全員のカクテルがジュースベースだ。

オーダーしてから数分でバーの主人がスクリュードライバーとモスコミュールを持ってくる。他に客がいないあたり、酒飲みは部屋のホームバーで飲んでいるか外に飲みに出ているのだろう。

「俺が最初に君を保護した救命士だ。搬送時には意識レベルが極めて薄い危険な状態にあった。だがそれ以上の問題が数日後に発覚した……」背を向けていた男、ワイズがスピードに話を切り出した。

「それ以上の、問題ですか?破傷風とか?」スピードが尋ねる。

「遺伝子変異ウイルス感染だ。他に感染させる可能性は99%ないのだが、しかし治療と進行を止める方法は今の所まったくない」ワイズが表情を変えずに伝えるがスピードの顔が引きつっている。

「感染させた方法の推測はついている。24時間以上かけてじっくりと点滴して全身にウイルスを浸透させた。その後で俺が保護して抗生剤を投与させたが手遅れだった」ワイズが冷静に話しているだけにスピードの顔が更に緊張を増す。

「じゃあ……自分もマッデスのような怪物に?!」スピードが恐る恐る尋ねる。

「最後に担当医から見た写真では……写真と言ってもCTとX線だが……君の脳構造と骨格、筋肉、皮膚、要するにすべての部分が戦闘に適正化されている。多少本能的になるだろうが、マッデスよりはマシだから安心しろ」ワイズが慰めにもならない言葉を言い放つ。

「マッデスの下にいた期間に十分自覚はしていましたが……正直ショックです……」スピードはグラスに手を伸ばすとスクリュードライバーを一気に飲み干した。

Gangbear's Light Novels

スピン・オフと言えば聞こえがいいが2次創作のラノベだからな!

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