Downfall The Empire of Tahjimar
今のところは「グラディエーター」や「ブレイブハート」ぽい路線です。
第1話 闇の都「ウヒムサ」への旅路
かの村で最強の敵は元帝国騎士だった。錆びついた鎧と剣で武装した恐れ知らずの騎士を仕留めたのはアモマツだった。アモマツは他にも64体の「闇の魂」を屠った。残り20も大剣隊が仕留めた。
闇の魂の炎で明かりを取りながら一行は休息を取り、ウヒムサへ向かう計画を詰めた。
街道を移動できない追われる身の戦士たちは早く闇の軍勢と出会おうと危険な森や荒野を選んで移動した。だが、ウヒムサの手前まで闇の軍勢に出会うことはなかった。
途中、アモマツ以外が心的に消耗し、体調を崩したが、野営しながら全員が回復に向かっている。そのかわり、彼らの身にも「闇の魂」を屠ったことがきっかけで異形への変異が始まり、体調の回復とともに変異が完成した。
アモマツも体調を崩したよう装ったが、彼だけは何も変異していない。生まれつきの異形故に変異への耐性が若干備わっているからだ。
それより仲間を欺きながらいつ自分がすでに異形だったことを打ち明けようか。それとも最後まで騙し通そうか苦悩している。
もし、誰かがアモマツが有する「心を読む」特殊能力を得たら自分の素性も本心も見抜かれる。
道中では常に仲間の頭の中を見張りながらアモマツは最後まで仲間たちを欺き通した。
ウヒムサの手前で闇の軍勢と遭遇した。だが、ここで自分たちの価値を試す戦いが行われた。
生き残るべき者たちは生き残った。そして、闇の軍勢に歓迎されその列に加わった。
闇の軍勢にしてみれば即戦力が少数でも加わるのは大きい。特にアモマツは闇の軍勢が獲得したい戦士の1人でもあったと後日聞かされた。
大剣隊の大部分は闇の軍勢の両手斧部隊へと編入された。役割は以前と変わらない。
破壊のエキスパートとして城の正門を突破し、城を制圧するための尖兵となる。撤退する時は最後尾で脱出を最大限支援する。
早速、闇の軍勢が喉が出るほど欲しがっている大きな城を攻め落とす計画が練られた。この時点で銃士隊は帝国の地下社会で活動している闇の教団の護衛として各地に散った。
新たな指揮官の下、闇の軍勢の両手斧部隊の駆け出しとしてアモマツは任務についた。柄の長い両手武器なら熟練兵としてハルバードを使っていた時期があるが、両手斧は全く感覚が違う。だが、慣れ親しんだハルバードや両手剣よりこちらに慣れてくると逆に使いやすい。
闇の軍勢の一員としての初戦は以前と変わらない心構えで臨めた。
目標のウケイケの城は辺境防衛の拠点とされている。さぞかし大きな防御部隊がいるのだろう……自分はそう信じていた。
しかし、城門を破壊して突入した時には怪物たちに恐れをなしたウケイケ防衛隊は逃走を開始し、逃げおくれた敗軍の兵は怪物たちに食われていた。
帝国が辺境に対して無関心であったことで闇の軍勢は拍子抜けした。これなら帝国全ての城を手に入れられる。まずはウケイケを暗黒の軍勢の都として再整備することにした。
皮肉にも、自分たちが城門を破壊したことで再整備に支障が生じた。この埋め合わせはこの城の防衛戦か他の城の攻略で巻き返そう。
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